2015年10月21日水曜日

暗闇に咲く華12

男が入ってくる。かなり興奮しているようで、これ以上ないくらい堅く感じる。メリメリと肉を押しのけて、ゆっくり侵入してきた。
「あぁすげぇ。いいマンコだ。感じるか?マンコ、感じるんだろ?」
 背中にぴったりと身体を密着させて男が囁く。口の中には別の男を咥え込んでいるから答えることはできないが、艶っぽい鼻息で応えてやる。
「そうか。俺のは硬いだろ。でかくはないけどな。硬いのが自慢なんだ。おぉ。そんなに締め付けるな。イッちまうだろ。おまえのマンコ無茶苦茶気持ちいいぞ」
 耳たぶを甘噛みしながら、男がゆったりとした腰使いで奥をえぐる。
「ほら。口がお留守だ。舌を使え。もっと、ぴちゃぴちゃやるんだ」
 舌を亀頭のエラに絡ませ、わざと音を立ててしゃぶると男たちは喜んだ。ひとりあぶれた男のチンポを握り擦り上げた。
「マジでエロいな。こいつ。こんな綺麗な顔して淫乱だぜ」
 男は二本の指で乳首を摘み、指の腹で転がすようにする。男の乳首がこんなに感じるとは知らなかった。今までは、まっとうな愛撫などされたことがなかったから気づかなかったけれど、男の身体にも性感帯は多いようだ。何度も突っ込まれていると慣れてくるというか、良さを知ったというか、マンコと表現するのも見当違いでないようだ。男の硬いものが奥まで届き、敏感な部分を圧迫すると何か不思議な予感があった。
 なんだろう。これ。最初に兄貴に抱かれたときのような感覚が戻ってくる。あの時は、媚薬で感じていただけなのだろうが、この辺りに敏感に感じる部分があるような予感だった。男は俺の反応を敏感に察知しているようで、念入りにその辺りを突いてくる。
 下半身がビクビクと天を突きあげ痙攣する。鈴口から先走りが溢れ出し、糸を引いて垂れ落ちた。そこ。そこかも。我知らず、男の下腹部に付くほどに尻を突き出していた。
「ここが感じるんだな?当たるのか?」
 男をしゃぶりながら、できる範囲で頭を縦に振る。
「男にもGスポットがあるんだぜ。知ってるだろうけどな。ここを責め続ければ、勝手にトコロテンさ。だが、適当にしておこう。早々に終わると後の楽しみが減るからな」
 お預けを食った気分だった。もっと突いて欲しいと思ったのは初めてかもしれない。
 ベッドに場所を替えて、さらに後ろをえぐられる。イキそうになったら交代して、次の男が乗ってくる。3人は順番に俺に突っ込んだ。口と後ろに同時に突っ込むのは飽きたらしく、それぞれのやり方で俺を抱いた。カーテンを開放していたから窓の外に高層ビルの明かりが見えた。それぞれの明かりの元ではサラリーマンが仕事をしている。まさか、ホテルの一室で3人の男が1人の男を輪姦しているなんて知る由もない。部屋の明かりを落としているから、窓は半分鏡のようになって、汗をかきながら腰を振る男と四つん這いになってそれを受け入れている男が映っている。
 部屋の中は雄の濃い体臭が充満していて、クチュクチュと粘膜が擦れあう湿った音が響く。
「おまえの穴は最高だぜ。こんなに気持ちいいセックスは久しぶりだ。女房を抱くのなんて比較にならねぇ」
 え?妻帯者なの?世の中には、女も男もどちらもいける口がいるらしいのは知っているが、金をだしてまで男を買う奴がその手の人間だとは考えなかった。
「俺はバイなんだが、どちらかというと男が好きなんだ。女を抱くのも悪くないけれど、男を征服する方が断然興奮する。あぁイクのが勿体ない。だが、欲望には勝てないな」
 男の息が段々切羽詰まってくる。
「マジいいぜ。おまえのマンコ。こんな綺麗なケツを犯れるのなら、また指名してやるからな。あぁ堪んねぇ。もう無理だ。イクぜ。もうイクぜ。出すぞ。中に出すぞ。俺の子を孕めよ。イクイクイク!」
 激しく腰を振り、奥まで突き上げると男は痙攣する小刻みに震えた後で、動きを止めた。後ろを思いっきり締め付ける。ドクドクと尿道が律動しているのを感じた。色々な機微を身に着け始めている自分を呪う。
「はぅ。締まる。堪んねぇ」
 少し柔らかくなった男がズルリと引き抜かれてゆく。ポッカリと空洞ができた気分だった。もっと埋めていて欲しいと思いながら、冷めた方の俺が『マジで売女になってるんじゃねぇよ!』と頭の中で突っ込む声が聞こえた。