2017年1月26日木曜日

最近ショックだったこと25


今、俺は猛烈に腹を立てていた。生まれてこの方、感じた覚えがないほどの怒りだった。『よくも、和志を。。。許さねぇ』、腹の底で、あいつを輪姦した奴らに毒づく。『てめぇら覚悟しておけ。3倍返ししてやる』
 怒りは、明らかな物理的現象として、全身の筋肉を痙攣させ、頭に登りつめた血を沸騰させていた。今なら火を吹くことも、目からレーザー光線を放つこともできそうだ。和志から奪い取ったスマホを猛烈なスピードで操作し、LINEで画像を送ってきた奴を特定した。『将也』
 こいつが何者かは知らないが、大学の関係者だろう。画像に写っている場所は、グラウンド近くの倉庫のようなところだから、大学のクラブ繋がりに違いない。バイクを飛ばし、和志の大学に向かう。信号に捕まった合間に、LINEを入れた。
「話があるんだけど、今から会えないか?」
 暫く待つと返事があった。
「どうした?送った画像が刺激強すぎ?マンコ疼いちまった?w」
 マジでムカつく。こいつ。おまえも同じ目に合わせてやんよ。待ってろ。
「違うけど、ちょっと。あの倉庫で、30分後。いいか?」
「分かった」
 大学の構内にバイクを乗入れ、案内板でグラウンドの倉庫を特定する。案の定、クラブハウス横の体育道具倉庫だ。少し離れて、周囲を観察する。ここは、大学のクラブハウスだから、和志と似た雰囲気の奴が多かった。中でも身体のでかい奴に注意を向けて、観察してると、LINEしてから30分経たないくらいに倉庫に入った男がいる。奴か。
「今、倉庫?すぐに着くし」
「呼び出した奴が先に来るもんじゃね?普通。まぁいいけどさ」
 やはりそうか。スマホを革ジャンに締まった。怒髪天を衝く怒りは、今、静かな復讐の喜びへと变化し、ゆらゆらと青い炎を燃やす。 倉庫のドアを開け、身体を滑り込ませる。奴が振り返って、確かめる空きを与えず、腹に一発蹴りを見舞う。不意の攻撃に受け身を取る暇もなかったようだ。その場に崩れ落ちた。ラグビーで鍛えているとは言っても、所詮、大学生のガキだ。
 意識が戻る前に裸に剥いて、タックル練習用のダミーを抱かせ、両手両足を縛る。体育会倉庫だから、道具には事欠かない。とりあえず、俺のスマホでシャメを撮った。
 しばらく待つと意識を取り戻したようだ。状況が飲み込めず、目を白黒させている。
「気が付いたか?将也だな?おまえ」
「何者だよ。あんた。。。」
「関係ねぇよ。俺が何者かはな。お前たちが、和志にしたことの報いを受けさせるために俺はここにいる。二度と和志に近づけないようにしてやんよ」
「ふざけんな。解けよ!」
「あ?お前ら、和志がそう叫んだとき、自由にしてやったのか?」
「・・・・・」
  俺は、勿体つけて、ゆっくり皮パンツのファスナーを降ろし、まだ力ないデカマラを引っ張り出した。将也に見せ付けながら扱くと、俺の意志を受けた軟体動物が、徐々に怒りを孕んで屹立してゆく。その巨大さ故に、将也は声もなく、魅入られたように俺自身を見上げた。
「マジか。。。まさか、それを俺に。。。」
 答える替わりに凄まじい笑みを返しておく。
「勘弁してくれ。俺。。。タチなんだ。無理だよ。そんなの。ごめんよ。二度としないよ。お願いだ!」
「和志が止めてくれと慈悲を乞うたとき、お前は横でニヤニヤと眺めていたんだろう?どうせ」
「・・・・・」
「せめて、ローションだけは塗っておいてやるさ」
 見せつけるように、たっぷりとローションを亀頭に垂らす。そして、将也の割れ目に宛てがった。
 一気に突っ込めば、本当に裂けるかもしれない。そこまでする必要もないだろう。俺のものを簡単に飲み込める筈もなく、広げもせず突っ込まれたときの痛みは尋常じゃないはずだ。
 将也のTシャツを丸め、抵抗するのを強引に口に突っ込んだ。と同時に腰を沈める。
「ぎゃあぁぐがぁぐがぁあぁ」
 将也は喉が避ける勢いで悲鳴を上げた。



2017年1月6日金曜日

明けましておめでとうございます

 長らくの放置。。。すまそ。
 精神的に萎えている状態から、いきなり仕事が猛烈に忙しくなって、全く上げる余裕がありませんでした。
 年度末にかけて、まだまだ、忙しいと思うけど、まったりながら新規UPするつもりm(_ _)m

 まぁ、新規UPしたお話の今後の行方は、だいたい想像が付くと思うがw
 もし、待ってる人がいるのなら(滝汗
 生暖かく見守ってください。

 本年もよろしく御願いします。
 今年こそは、過去作を復旧する作業も進めたいと。。。。_| ̄|○


 黒山羊

最近ショックだったこと24

 シャメを消したところで、輪姦された事実がなくなる訳でもない。もうどうでも良かった。複数の人間が、見せられただけで死にたくなるような画像を持っているのだ。まだ、俺にだけなら救いはあるが、ネットにでも放流されたら取り返しがつかない。俺には、既に、彼らを拒否する権利すらないのだ。
 外が明るくなる頃、少しだけ微睡んだが、ほとんで眠っていない。白目が充血して真っ赤に染まり、撚れたTシャツを着て、無精髭を生やした男が、鏡の向こうから俺をぼんやり眺めていた。一駒目から講義があるのに、着替える気力もない。
 何もかも面倒になって、ベッドに戻り、布団を頭から被った。眠れるはずもないのだけれど。
 スマホのバイブが定期的に鳴っている。たぶん、兄貴だ。俺のことを心配してくれている。
 けれど、どんな顔をして兄貴に会えば良いというのだろうか。それほど、器用な人間じゃないから、兄貴の前で以前のような笑顔を見せる自信がなかった。面倒になって、スマホの電源を切った。兄貴とも終わりかな。
 知らない間に眠っていたようだった。ガンガンと部屋中に響く音で目が覚めた。頭が回っていないから、何の音か理解できないでいた。ああ。そうか。誰かがドアを叩いているんだ。
 何も考えることができなかった。気がついたら、起き上がって、玄関ドアのサムターンを回していた。勢い良く開けられたドアに引っ張られて、裸足で廊下に躍り出る。
「どうしたってんだ。おまえ」
 目の前に兄貴が立っていた。
「何度、メールしても、電話しても出ないから心配するじゃないか。昨日、飲みすぎたってLINEあったから、二日酔いでぶっ倒れてるのかと思ったぞ」
 意味も分からず涙がボロボロと溢れた。子供みたいにしゃくり上げながら泣いた。兄貴は驚きながらも、半分以上俺を抱きかかえつつ部屋に入った。兄貴の体温を感じながら、シャツがぐしょぐしょになるまで泣いた。何も言わず、兄貴は俺をずっと抱きしめてくれていた。何も言葉を発しない兄貴がありがたかった。
 少し落ち着いてからも、質問攻めにされながら何も答えない俺に業を煮やし、兄貴は困り果てた顔で俺を眺めていた。
 ふと何かを思いついた兄貴がスマホを手に取る。やばい。取り返そうと手を伸ばすが、力で兄貴に敵うはずがない。セキュリティ設定していないことを公開したが後の祭りだ。手際よく、LINE、メールを確認してゆく。そして、兄貴が息を呑み、凍りつくのを感じた。だめだ。捨てられる。
 乾いていた涙が、再び滲み出す。ボロボロと大きな涙の粒が頬を滑り落ちてゆく。滲んだ視界の中で、鬼のような形相に変わってゆく兄貴に、思わず怯えた。昨日あった全てを兄貴は悟ったのだ。
「何人だ?」
 兄貴がただそれだけを呟く。怒りを抑えた声が、ますます俺を恐慌に落としてゆく。
「写してるやつ、前後から突っ込んでる奴、横に立っている奴、4人か?」
「もうひとり」
「5人か。。。そうか。」
 俺のスマホを持ち、黙って、兄貴は部屋を出ていった。俺には、もうどうすることもできなかった。二度と兄貴に抱いてはもらえない。せっかく、理想の人に会えたと思ったのに。
 ため息だけが、ひとりっきりの部屋に落ちた。