2017年10月23日月曜日

好奇心に負けて01

大っぴらには人に話せない欲望を抱え込んで、悶々とした日々を過ごす。
 小さい頃から、そうだろうという意識はあったが、第二次性徴期に入って、周囲の同級生達が女の子のことばかり熱心に話すのを聞きながら、自分は同性を欲するってことを実感する。
 女の裸を想像するのではなくて、体育の先生の股間を想像しながら、夜毎、何度も精を吹き上げた。
 高校生の間は、同級生にそのことを感づかれないように必死に隠していたが、大学生になって一人暮らしを始めてから、我慢は限界に達していた。
 ネットには、男女物だけでなく、ゲイ物の動画や画像、ありとあらゆる情報が溢れていて、勇気を出しさえすれば、すぐに体験できることは分かっていた。実際に、その世界で「ハッテン場」と呼ばれる場所に出向き、第一種接近遭遇までは果たした。けれど、急に怖くなって、何度も逃げ出したりを繰り返した。
 ハッキリ言って、もう限界だ。もう無理だ。このまま我慢し続ければ、僕は妄想だけで爆発を起こして、自分の部屋の壁に、己の血と肉の小片を貼り付けるに違いないと思われた。それでもなんとか、不安で今にも消えて無くなりそうな勇気を奮い起こし、ある掲示板の書き込みにメールを送った。心臓は高鳴り、血流は頭に登り詰め、文字をフリックする指が震える。
 やっとのことで打ち込んだ文を送信した瞬間、興奮のあまり、鼻血がでそうな勢いだった。ただ、メールを送信しただけで達成感を得て、既に初体験を経験してしまったかのように錯覚したけれど、まだ何も始まってすらいない。
 ある線を踏み出すと、物事は激流に背中を押されるように、流れ始める。メールを送信して数分もしないのに返信が届いた。

「メールありがとう。俺は、パーティを主催するkazuです。掲示板の募集記事にも掲載しておいたけど、念のため自己紹介しておくね。俺は、178*75*29のサラリーマンで、週3ジムで鍛えてる筋肉質なバリタチです。駅近のホテルを手配して、月に1回くらいのペースで乱パを主催してます。毎回、参加者が10人~20人くらい集まり、盛り上がります。今のところ、日曜日の参加予定は15人。タチが5人、リバが4人、ウケが6人。年齢層は20代が中心で、最年長でも35歳です。
君のプロフは、172*63*18だったよね?タチ・ウケ教えて貰ってもいいかな?もし大丈夫なら、身体のシャメ送ってくれると早いんだけど、無理だったら別にいいよ。
もちろん参加費は不要で、ゴム・ローション、適当な大人のおもちゃ、お茶、軽い食べ物は準備するから気軽に参加してください。メール待ってるよ」