2022年11月22日火曜日

近鉄電車

 お知らせではない。

 昨日、夕方のそれなりに混んでいる近鉄電車に乗った。近鉄奈良駅から大阪難波経由で三宮行きの快速急行だ。

 俺はシートの端に座っており、通勤帰りのサラリーマンや学校帰りの高校生・大学生などが立っている。反対側のドア付近に立っている若者ふたりに目が行く。

 上着は少し厚めの防寒着なのだが、下は薄いグレーのスエットである。この彼は、さほど背が高くないのだけれど、下半身がかなりガッチリしてる。ケツがとてもでかい。

 さらに、薄手のスエットがぴったりフィットしていて、ケツの割れ目に生地が食い込んでいる。明らかにノースエである。

 スマホで盗撮してやろうかと思ったが、さすがに不味いので我慢するw

 凝視し続けるのは不自然なのだが、目が離せないくらい美味そうなのだ。

 股間はそれほどボリューム感があるように見えないが、勃起していないのだから分からない。にしても見事なケツである。

 実はバリネコなんだけれど、ケツは大好物なのである。久しぶりの垂涎ものだった。年甲斐もなく、混み合う電車内で勃起してしまった。

 端に座っていたので、すぐ横に立っている女子高生の尻が腕に当たっている。本人は気づいていないようだが、身体が揺れるたびに、制服越しの尻が俺に当たる。さすがに、気まずいので、手を膝に置いて、接触を避けた。痴漢と間違われても困るしな。勃起してるから、さらに不味い状況になりかねないw

 これが、件の若者のケツであったなら、撫で回していたかもしれないけれど。。。爆


 あまりに、ノースエのデカケツがエロくて、美味そうだったので書き綴ってみたw


雨のち曇り時々晴れ07

 米を洗って、鶏肉を刻んで、出汁昆布とキノコと一緒に炊飯器に入れる。酒、みりん、薄口醤油を適当に入れて、3合の炊き込みご飯メモリまで水を入れ、30分後のタイマーをポン。カボチャをレンチンしてから蒸す。皮を向いて、実を裏ごしして、牛乳、生クリーム、コンソメ顆粒を入れて鍋でクツクツ。ブロックで買ってきた豚バラを一口大に切って、調味料と一緒に圧力鍋で10分シューシュー。圧力が落ちてから、大根を加えて、5分シューシュー。フライパンに少量の油で牛肉を炒め皿に取る。多めの食用油に鷹の爪を入れて、熱々になったらレンコンを炒める。牛肉を戻して、醤油とみりんと砂糖を入れて、調味料がほぼ無くなるまでジュージュー。最後は、たっぷりのオリーブ油にニンニクを入れて香りを移してから、むき海老とブロッコリーをさっと炒め、塩コショウで整えれば出来上がり。

 ご飯ももうすぐ、炊きあがる。マウスのカチカチ音だけが聞こえる彼の方を振り向いて、俺はフリーズした。ブラウザのお気に入りフォルダ一覧が表示されている。どぎついタイトルのエロ動画が大量に並んでいた。昨日、履歴を消して、フォルダを非表示にするべきだった。既に手遅れだ。

「へぇ。こういう細マッチョがバックでがんがん犯られるのが好きなんですね?」

 頭の中が真っ白である。

「こんな感じでいいですか?」

 彼は、リビングの床に四つん這いになり、胸を床につけて尻を高く突き出してみせた。彼は明らかにノースエ状態で、あの見事なプリケツを突き出しているのだ。全裸よりエロい。今度は、鼻血が出そうになった。

 俺は、彼のすぐ後ろにしゃがみ込み、掌で尻を撫でた。

「マジ?」

「え?俺のことゲイだと見抜いてて、ナンパされたんだと思ってました。違うんですか?」

「いや。そうならいいなって。もろタイプだし」

「そうですか。じゃ両思いです。ご飯が先?それとも俺が先?」

 料理が冷めるのは悲しいが、これ程のプリケツで誘われて喰わない馬鹿はいないだろう。とりあえず、ひっくり返してから、シャツをたくし上げて乳首に吸い付いた。


2022年11月18日金曜日

雨のち曇り時々晴れ06

 土曜日は待ちきれなくて、約束より早く、30分以上前に到着した。着替えを済ませ、軽い柔軟体操の後、ランニングマシンを使う。走り出してから10分ほどすると彼も合流する。

「こんにちは」

「こんにちは」

 しばらくは特に会話もなく互いにそれぞれのメニューで身体を鍛える。

「何か嫌いな食べ物とかありますか?」

 チェストプレスとチェストフライで並んだときに尋ねた。

「特にないです。今頃だと何が旬でしたっけ?」

「そうですね。。。最近は、旬に関係なく野菜は揃ってますけど、強いていえば、レンコン、キノコ、根菜でしょうか」

「食欲の秋ですね」

「キノコと鶏肉の炊き込みご飯。豚バラと大根の煮物。レンコンと牛肉のきんぴら。エビとブロッコリーのにんにく炒め。かぼちゃのポタージュスープ?」

「え?そんなに本格的な料理ですか?」

「ちょちょちょいと下準備して、1時間半くらいで大丈夫じゃないかな。。。」

 彼は目を白黒させながら、お腹で『クー』と答えた。

「お昼少しで我慢したので、美味しそうな料理を想像して、お腹空いてきちゃいました」

 想像以上に可愛い人だ。なぜ、普段は人を寄せ付けない空気を纏っているのだろうかと不思議だった。一通りのメニューをこなし、ロッカールームに連れ立つ。さっさと素っ裸になって、バスタオルで前を隠した。彼の全裸を目の当たりにして、半勃起状態になったからだ。

 彼は、たぶん、俺の3つくらい年下で、25~26歳だと思う。ほとんど無毛で、肌が綺麗だ。筋肉が適度に盛り上がって自然な細マッチョである。ルックスは松坂桃李に少し似いている。若干、気怠い、安易に人を寄せ付けないオーラを放つ。

 彼もさっさと全裸になって、シャワーブースに向かう。後ろから見た彼の尻が最高にそそる。いわゆるプリケツ。それも最上級のプリケツ。


 スーパーに寄り、2人で食材を買う。脳内で、ラブラブな恋人同士が買い物しているシチュエーションを想像し、ついニヤニヤしてしまう。料理のレシピを頭に浮かべながら、必要な食材を籠に入れる。彼は缶ビールと缶チューハイをそれなりに買い込んでいた。どうもイケる口らしい。

 料金は後で精算することにして、部屋に向かった。昨日のうちに、綺麗にしておいたので、彼が部屋に入っても恥ずかしくない。

「綺麗にされてますね。料理だけじゃなく、家事一般も得意そうで羨ましい限りです」

「いえいえ。昨日、綺麗にしたんですよ。料理は得意な方ですけど、掃除と洗濯はあまり好きじゃありません」

「そうなんですね。僕はどちらかというと掃除洗濯の方が得意です。ワンオペは辛いですけど、ツーオペなら円満解決ですね」

 ドギマギしてしまうことをサラリとおっしゃる。買い物袋から、中身を出して、テーブルやキッチン、冷蔵庫にそれぞれ置く。缶ビールと缶チューハイは、買った時点でそれなりに冷えていたので、冷蔵庫に保管する。

 ベッドルームで部屋着に着替えてから、料理の下ごしらえを始めた。恐縮頻りの彼だったが、いきなり2人でキッチンに立つのもどうかと思ったので、PCを起動して、TVモニタに火を入れ、無線のマウスとキーボードを手渡した。

 さて、時間の掛かるご飯の準備だ。米を3合研ぎ始める。


2022年11月17日木曜日

雨のち曇り時々晴れ05

 スーパーで共同仕入れをしたことが切っ掛けで、彼と普通に話ができるようになった。あれ以来はじめてジムで会った際、自然に挨拶ができたのだ。

「こんばんは。美味しかったですね」

「こんばんは。ええ。とてもジューシーでした。この間、スーパーでお会いしたときは、食材を買ってられたから、自炊されてるんですよね?」

 ちょっとした切っ掛けで一気に距離が縮まった気がする。彼の隣でランニングマシーンを使った。今まで観察していたときは、ストイックな雰囲気を纏っていたから、もっと無口なのかと思っていたが、案外、気さくな感じで安心する。

「ええ。スーパーとか、コンビニで売ってる出来合いのものが苦手で」

「そうなんですね。あまり身体に良さそうじゃないですものね。でも、僕は料理できないから、いつも簡単なものしか食べてないです」

「挑戦してみると案外できるものですよ?ネットでレシピを検索すれば、どんな料理でも公開されてますから」

 息を切らしハァハァ荒い呼吸をしながら会話する。

「どんなものを作られるんですか?」

「そうですね。。。大概のものは、それなりの味にする自信があります。たとえば、この間のスーパーでは、茄子とピーマンが安かったので、麻婆茄子を作りました」

「え?難しいでしょう?麻婆茄子の素を使っても」

「そんなことないですよ。茄子を乱切りにして、ピーマンをざく切り、生姜と長ねぎをみじん切り。豆板醤と味噌と醤油とみりんとオイスターソースを事前に混ぜておいて、たっぷりの油で茄子を炒めて、一旦、皿に。生姜を炒めて油に香りを移してからネギと合い挽き肉を軽く炒め、茄子とピーマンを加えてまた炒め、火が通ったら合わせ調味料を加えて馴染んでから、溶いた片栗粉を入れて出来上がり。簡単でしょ?」

「いやいやいや。。。」

 彼は苦笑顔である。

「それはかなりのハードルです」

 楽しそうに笑う彼が眩しい。

「リクエストがあれば、私が作りますよ?休みの日にでも一緒にどうですか?」

「え?真っ当な食べ物をいただけるのは有り難いですけど、ご迷惑でしょうから」

「いやいや。ご飯はたくさんで食べる方が楽しいです。独りで黙食は残念な気持ちになります。せっかく料理しても美味しいと言ってくれる人がいませんからね」

「確かに」

「じゃ善は急げ。今度の土曜日に昼過ぎここでトレーニングしてから、帰りに一緒にスーパー行きましょう。どちらの部屋でも大丈夫ですけど、料理器具とか食器とか、うちの方が揃ってると思うのでうちでどうですか?」

「じゃ遠慮なくお伺いします。今度の土曜日昼過ぎですね」

「はい。楽しみです」

「僕は、お酒用意しますね」

「はい。お願いします」

 びっくりするくらい急展開の急接近である。


2022年10月12日水曜日

雨のち曇り時々晴れ04

 普通なら、この辺で撤退している状況だろうと思う。もし、彼がノンケだった場合、これ以上、彼にしつこくアプローチすると、スタッフに苦情が上がる危険性があった。だが、あまりにも彼は、俺の理想に近く、何よりも纏っている空気感が気になって仕方なかった。

 どうやったら距離を縮めることができるのだろうか。スタッフ以外の人とジムで会話している姿を見たことがなかったので途方に暮れてしまう。自宅マンションや買い物をするスーパーも知っているけれど、顔見知りでもない男に声をかけるシチュエーションが思い浮かばない。

 ジム帰りに、どうしたものかと思案しながら買い物をしていた。週に3回はジムでトレーニングしているからといって、ささ身ばかりを食べているわけではない。冷凍食品が嫌いで、自分で料理する楽しみがあるから、野菜や魚類、肉類などの素材を買って帰る。大概は、スーパーに並んでいる食材を見ながら、その日のメニューを考える。

 茄子とピーマンが安かったから、今日は、麻婆茄子にでもしよう。あと、生姜、ひき肉、ネギを買い足す。一品では寂しいから、副菜に納豆と冷奴を買った。ふと見ると、例の彼が果物の陳列棚で思案顔だ。どうやら、シャインマスカットを買うかどうか迷っている。たしかに、一人暮らしの男にとって、一房は多すぎる。

 横に並んで、一緒にシャインマスカットを眺めた。一房、約500gで1800円なり。艶やかな黄緑色の粒が大きく、食べごたえがありそうだ。

「たしかに。。。男のひとり暮らしに、一房は多いなぁ」

 つい、ボソリと呟いた。

「ですよね。。。値段は別にいいけど、食べきる前に痛みそうです。。。」

 思わずといった感じで彼が受けた。そろりと互いに見合い、ニコリと笑う。それだけで、意思は通じた。

「じゃ。僕が買いますから、半分っこします?」

「いいですか?」

 互いの意思を確認して、レジに向かった。

「ジムで一緒の方ですよね?」

 レジに並んでいる間に、会話を交わす。

「はい。家も近くなんですね」

「たまに、駅やスーパーでお見かけします」

「お互い男やもめ。。。ですよね?」

「ええ。。。絶賛、独り暮らし。年齢すなわち、彼女いない歴です」

「同じくです。。。」

「え?そんな男前なのに。。。またまたぁ」

「ホントですよ。興味ないし」

 マジですか?ワンチャンありですか?それとも、恋愛に興味がないって意味ですか?

 とにかく、彼と会話する切っ掛けを得たことに舞い上がる。店員にハサミを借りて、均等になるように房を分け、備え付けのビニール袋に入れて渡した。半分の900円を受け取った。

「じゃ。また、ジムで」

 そう言って、互いに会釈して別れた。帰り道の歩調がスキップ一歩手前だったことは言う迄も無い。 

2022年10月3日月曜日

雨のち曇り時々晴れ03

 あれから1週間ほど経ったある日に、トレーニングジムで彼と遭遇した。俺がマシーンルームに入って行ったときに柔軟体操をしていたから、少し先に来ていたようだ。いつものトレーニングメニューを流しながら彼の所作を目で追う。彼も概ねいつものトレーニングメニューのようで、特に頑張る風でも、手抜きをする風でもない。誰かと会話もせず黙々とマシンを動かし、規定回数に達したら次のマシンに移るを繰り返す。表情は、喜怒哀楽が読めないすまし顔だ。そんなルックスも体格もどストライクな俺は、沿った瞬間に浮き上がる乳首や股間の膨らみが気になって運動どころではなかった。ややもすると自分の股間が反応しそうになるのを必死で鎮めなければならないのだった。

 彼はクランチが最後のマシンのはずだ。いつもあれが終われば、シャワーを浴びて、そそくさと帰る。俺は、彼が運動を終える前に、マシンから降りて、ロッカールームに移動した。さっさと服を脱いで、シャワーを浴び始める。いつもなら、壁に向かって頭から湯を浴びるのだが、彼がやってくるのは想定済みなので、扉の方を向いて頭を洗う。

 ここのブースは、互いの間仕切りは天井までだが、扉部は脚と頭が見える。案の定、彼がブースの前を通って、隣のブースに入った。彼の全裸が拝めてラッキーな気分だった。

 頭と身体を丹念に洗った後、バスタオルを腰に巻いて、鏡の前でドライヤーを使う。時間を置かず出てきた彼も同様に隣に座ってドライヤーを使う。他にも席はあるのに、わざわざ俺の隣に座ったことを心のなかで喜んだ。鏡越しにちらりと彼を伺う。彼は、こちらに視線を向けておらず、ふわっとした視線で鏡を見ながら、髪を乾かした。

 腕を動かすたびに、胸や腕の筋肉が収縮して、艶やかな肌の濡れた感じと相まって半勃起してしまう。ドライヤーの電源を切る瞬間、彼の視線が鏡越しにこちらを見て、絡み合った。俺は慌てて視線を外し、ドギマギした。彼は、それ以上に何の反応も示さず、席を立ち、服を着て、出ていった。

 心臓がバクバクと鼓動を打ち、上気して耳まで真っ赤になっている。意味もなくドライヤーを動かしながら、誰もいないロッカールームでひとり焦っていた。

 バレたかな。。。


2022年9月9日金曜日

雨のち曇り時々晴れ02

 ノンケに惚れるほど面倒なことはない。逆立ちしても恋が成就する可能性はない。普通、気持ち悪がられ、しつこく食い下がれば、警察沙汰になり得る。ツキがなかったと諦めるしかないのだ。

 そんなある日のことだった。スーパーで夕食の買い物をしてレジに並んでいたら、件の彼が俺のすぐ後ろの列に並んだのだ。向こうは気づいてる風でなかったが、仕事帰りらしいスーツ姿でスマホを弄りながら列を待っている。それとなく、カゴの中身を確認すると彼も独り暮らしであるらしいことが分かる。

 カゴには、缶ビール2本、缶酎ハイ1本、唐揚げ弁当、野菜サラダパックが入っていて、食材を買い込んでいる俺とは違い、自炊しない派らしい。

 まだ、彼のことを諦めきれなかったので、レジを済ませてから、商品をゆっくり袋に詰めながら時間を稼ぐ。彼がさっさとレジを済ませてスーパーから出ていく後を少し離れて追いかけた。

 彼の出で立ちは、紺のスラックスに、薄い水色の半袖Yシャツ、キャメル色の本皮リュックという普通のサラリーマンスタイルだ。ビジネスバッグでなく、本皮のリュックを背負っているところがちょっとした拘りだろうか。スーパーから徒歩5分ほどのマンションに入っていった。この辺りは、中心部から電車で15分圏の近郊住宅街で、駅周辺には賃貸・分譲マンションがたくさん建っている。10階建てで、各フロアに8~10室くらいありそうな中規模マンションだった。

 少し離れた道路の隅からマンションを見上げていると7階の端から2番めの部屋に明かりが灯った。たぶん、部屋番号までは分かるだろうけれど、郵便受に名字は書かれていないに違いない。

 クラブの先輩に恋心を抱く女子中学生のような行為をしている自分を若干、気持ち悪く感じながら帰途についた。彼が住んでいる場所を知ったからといって、何かが変わる訳ではないし、何か行動を起こそうという訳でもないのだけれども、彼との距離が少しだけ縮まった気がして嬉しいのも事実だった。

 彼がノンケだという確信が持てれば、すっぱり諦めるんだけどなぁ。


2022年9月8日木曜日

独り言

 死ぬほど忙しい訳ではないが、適度に仕事がバタバタしている。

 仕事がバタバタしていると私生活でも何か落ち着かない。

 基本的に独りで居ることが心地よい質ではあるし、ほぼ毎週末に彼と飲食して、どちらかの部屋に泊まる。

 たまに、友人たちと飲みにも行くし、古い友人たちと昔話で盛り上がることもある。

 最近、海外には出かけないけれど、年に幾度かは国内旅行に行きリフレッシュもする。

 けれど、日常は、全くイベントの発生しない同じ時間の繰り返し。

 俺は、それを「ボケボケする」と呼び、「俺の趣味はボケボケ」と公言している。

 何の変哲もない日々の、ゆったりと流れる時間をありのままに過ごす。

 あまり、残り時間が長いとは思えないし、今まで一生懸命、遮二無二、生きてきたとも思わない。

 ただただ、流されるままの人生で、それが自分にとっては心地よいのだと感じている。

 とても充実した人生だった訳では勿論ない。

 だが、十分に自分は幸せだと感じている。

 何かの言葉や出来事が引き金となって、突然に訪れるフラッシュバックで、後悔や羞恥に身悶えるときもあるけれど、それが人生だと自分を鎮める。

 唐突だし、ここを訪れてくれる人には周知のことだが、俺はゲイだ。

 つまり男性同性愛者で、異性とは全く経験がない独身の童貞男だ。

 女になりたいと思わないから、女装することもないし、女言葉を使うことも、ホルモン注射したいとも思わない。

 男である俺が、男に性的興奮を覚えるという自分ではどうしようもない性癖なのだ。

 性癖?癖なのか?

 ゲイであることは俺にとって選択ではない。

 どちらかを選べるのだとしたら、無論、俺はノンケを選んだ。

 選ばせてもらえなかったのだ。

 若い頃は一通り悩みもしたし、どうにかならないかと考えてもみたけれど、明快で美しい答えはなかった。

 たぶん、ほとんどの同類がそうだろうと思うが、世間に自分がゲイであることを主張もしないし、権利を認めて欲しいとも思わない。

 LGBTQと一括りにされるのも御免だし、多種多様な同調圧力も鬱陶しい。

 ただ、これが俺なのだと諦めて、変哲のない日々を過ごすだけ。

 なるべく他人に迷惑をかけないから、放っておいて欲しいと思うだけ。

 俺の趣味はボケボケ。

 そう嘯いて、日々の時間をひたすら浪費し続ける。

 世界や歴史に爪痕を残したいとも思わないし、残せるほどの能力もない。

 後に何も残さず、できれば、海にでも山にでも灰を撒いて欲しいと思う。

 彼が好きだし、たぶん、彼も俺を好きだと思ってくれている。

 適度に友人はいるし、それは老若男女構わず分布する。

 家族や周囲の人間に積極的にカミングアウトせず、分かって欲しいとも思わない。

 たぶん、脳の何処か一部が壊れているのだろう。

 ネジが何本か足りないのだと思う。

 結果、家族にすら愛情を感じない。どうでもいい。

 虐待された訳じゃなさそうだし、自分でも不思議なのだ。

 転じて、唐突だけれど、良い年になっても、忘れた頃に性欲は湧いてくる。

 俺はバリウケで、ほとんどタチをしたことがない。

 若い頃からそうだった訳じゃなく、実はタチもしたかったし、臨んでみたこともある。

 恥ずかしながら、一番の問題は、早漏だということ。

 それこそ、猿のように毎日オナニーに耽っていた中学生の頃の話だ。

 自分の掌でペニスを包み込み、一心に千摺を扱くとき、快感を長引かせようとケツの穴を締め、ペニスの根本を必死で締め付けて我慢した。

 多少は、伸びたけれど、さほどでもない。

 しかし、努力すれば少しずつ伸びた。

 だが、ある日、ペニスの付け根の横に膿袋が出来た。

 子供の頃からよく通っていた皮膚科に行き、診てもらったが原因は特定されず、切開されて痛み止めと抗生物質を処方された。

 薄々原因を感じた。

 それ依頼、我慢しないようにしたら、笑えるほど超早漏になった。

 擦ってはいけないのだ。

 だから、バリウケになるしかない。

 ここでも俺は選択を許されなかったのだ。

 ウケるとき、多くのタチは、腰振りと同時に俺のペニスを擦り、もっと感じさせてやろうと努力してくれる。

 だが、俺は、その手を押し留めるしかない。

 でなければ、もっと腰を振っていたいタチを取り残して、勝手にさっさとイッてしまうのだから。

 バリバリのタチには分からないだろうけれど、ケツの穴は性器ではない。

 あくまでも前立腺が性器代わりなのだ。

 だから、射精してしまって、前立腺が感じなくなってしまったウケは、苦痛を耐えるしかない。

 もちろん、場数を踏んでゆくと、若い頃のように、勝手にイッてしまった俺が、「ごめんもう無理」とは言わない。

 少なくともタチがイクまで、気持ち良かった余韻を長く引き伸ばして、気持ち良い気分を味わう。

 基本的にセックスに淡白な俺は、一度、発射してしまうと賢者タイプに落ち込むのは避けられなかった。

 一発や二発発射したくらいで快感が引くことのない絶倫ウケなら話は別だろうけれど。

 なのに、セーフでだけど、顔も知らない複数の男達に輪姦されることで興奮を覚えるど変態だ。

 まぁその程度の変態は、この世に掃いて捨てるほど居るから、別に自慢にはならないけれど。

 たまに、突っ込まれたいとケツが疼く。

 オナニーすれば、数日は落ち着く。

 だが、何度か、それを繰り返すとオナニーでは満足できなくなる。

 一発すれば、しばらく落ち着いて、欲情することもなくなるのだけれど。

 どうしようもなく疼いて、男が欲しくなるときがある。今でも。

 あぁ。チンポ喰いてぇ。


 だもんで、エロい話を書いて、気を散らすのだ。。。笑

雨のち曇り時々晴れ01

 俺がその男と出会ったのは、週に3度通うスポーツジムだった。

 端正な顔立ちの20代後半くらいの青年で、マッチョでも、緩いでもない丁度良い感じの身体をしていた。いわゆる細マッチョというやつだろうか。一心不乱にトレーニングに励むでもなく、だからといってダラダラしてる訳でもない。ただ、なんとなく雰囲気のある男だった。

 ジムは、自分の肉体を適度に鍛えることが主目的で通っていて、男を漁りに行ってるわけではないが、多少の目の保養になるし、万が一、理想の男に出会えたらなんて助平心がないではない。たまに、明らかに同趣味の方だと分かる御仁もいたが、発展目的ではないから、なるべく目が合わないように心がけていた。

 そういう意味で、その男は、こちらでもありそうだし、違いそうでもあった。ただ、明らかにノンケの男とも違う独特の雰囲気を纏っていたもので、少し興味を惹かれた。もちろん、背格好やその肉体、顔立ち、髪型、立ち居振る舞いなど、どストライクであったのもある。

 ジロジロ視るのも気が引けるし、警戒されるのも宜しくない。同じジムに通っているのなら、また会うこともあるだろうと思った。

 意識するようになると不思議なもので、週に3度通うトレーニング日のうち、1度は見かけるのだと気づく。彼は、柔軟の後、30分ほどランニングで軽く汗を流し、チェストプレス、チェストフライ、ラットプルダウン、レッグプレス、マシンクランチを2セットする。マシンの種類は日によって異なるが、胸筋、背筋、腕筋、脚・殿筋、腹筋をバランス良く2セット。都合1時間ないし1時間半のトレーニングだ。会う曜日が決まっていないところをみると週に何度か通っていて、仕事都合なんかで曜日が変わるのだろうと想像した。

 シャワールームで全裸の彼と出くわしたとき、それとなく筋肉をチェックしたのだが、適度に脂肪がのったバランスの良い肉付きをしていた。胸筋や上腕二頭筋は多少盛り上がり、腹筋も軽く割れている。何より、引き締まった小ぶりの尻から太腿、脹脛、足首のラインがセクシーで堪らないものがあった。

 彼は、人見知りするほど内向的そうではなかったが、一定の距離以内に人を寄せ付けないオーラのようなものを放っている。誰も近づいて来るな!といった強いものではないけれど、話しかけることが憚られる程度には力がある。

 先日、帰りの時間が同じになった折、スマホアプリを起動して確かめてみたが、100m以内にいる仲間は確認できなかった。そうであったとしても同じアプリを使っているとは限らないし、そもそも出会い系のアプリを使っていないことも考えられる。

 下着も普通だし、持ち物や服装もそれらしさを醸し出すグッズも引っかからない。彼は、ノンケなのかもしれないと考え始めていた。


ディープな世界17

 完全に先輩好みに調教されてしまった俺は、先輩の命令に逆らわない従順な下僕になった。先輩がしゃぶれと命令するだけで、前に跪いてイクまでしゃぶり続ける。ご褒美が欲しいから、先輩の命令には逆らわない。

 ただ、あれ以来、先輩は俺に突っ込んではくれない。行為の最中はもちろんのこと、自宅に帰った後も自分で出すことは禁じられていた。若いやりたい盛りの雄がオナニーすらできないのである。数時間で玉がパンパンになるほど、子種を作り続ける年頃なのにだ。

 結果、俺はほぼ終日、勃起した状態で、先輩のモノをしゃぶっているだけで果ててしまいそうになる。意識だけでイッてしまいそうになるくらい興奮状態で、大量に滲み出る先走りが若干、白く濁っているように感じた。もう限界に達しつつあったある日、ジムの練習後に先輩と一緒に先輩の自宅に帰ることになった。

 俺は全裸で先輩家のベッドに四肢を縛り付けられている。目隠し、耳栓、ボールギャグ、そして、チンポは根本できつく縛れた状態で放置されている。五感のほとんどの感覚を遮断されて、マンコに、エネマグラを仕込まれていている。

 手を使うことはもちろん、シーツに擦り付けることすら出来ない状態だ。唯一の刺激は、前立腺のみ。想像の中で、先輩はベッドの横に静かに座って俺を眺めている。外界から一切の刺激を遮断され、自分の中の柔らかい部分にだけ緩やかな圧を感じて身悶え、発情しきりの雄をじっと眺めている。俺の呼吸は少しずつ早くなり、上気し、全身が汗で濡れて艷やかに光っているはずだ。根本をきつく縛られているにも関わらず、先走りが滲み出して腹筋の溝に溜まりをつくる。先輩に教えられた通り、マンコの括約筋を締めると前立腺が押し込まれ、微妙な快感を感じる。少しして緩めた後、また締めると、先程の快感より少しだけ感度が増す。その行為を何度も繰り返すたびに、それはどんどん蓄積されてはっきりとした快感へと変わってゆく。

 肌で先輩の視線や呼吸を感じながら、下腹部に鈍痛にも似た快感の塊が存在感を増してゆく。昂ぶってゆく。

「あぁぁ来る。。。あれが来る。。。」

 ボールギャグを噛まされているから声になっていないはずだし、耳栓をされているので、どんな音が漏れているのか知ることもできない。たぶん、ゴボゴボと濡れた意味をなさない音が漏れているに過ぎないのだ。

 溜まりに溜まった子種が出口を求めて内圧を増しているのだが、出口はない。括約筋をギュッと締めることでエネマグラが前立腺に刺激を伝達する。それが最後の刺激になった。大腿筋と大殿筋、腹筋が収縮し、あれが始まる。強烈な快感が下腹部の奥と脳内で同時に炸裂し、俺は唸り声を上げる。一度、始まってしまうと少しの刺激でそれは繰り返す。眼球の中でエキセントリックな光がスパークする。

 俺はもう何も考えられない。時間間隔も五感の刺激も、自分の形も分からなくなる。ただ、そこにあるのは強烈な快感の塊だけだった。強烈な快感が何度も俺の中をぐちゃぐちゃにして、筋肉の緊張に耐えきれなくなって脱力するのを繰り返す。雌イキと称される強烈な快感は、肉体を揺すぶられる感覚で、意識せずおめき超えが漏れる。

 放置プレイで、一人遊びの無限雌イキ地獄。いや雌イキ天国。すっかり調教されてしまった俺は、先輩の視線を勝手に感じてイキまくる変態に堕ちた。

2022年7月25日月曜日

ディープな世界16

 もう止めて!体力が保たない。でも止めないで!気持ち良すぎる。

 先輩は、混乱した俺の様子を冷静に観察しながら、後ろの刺激だけでイク快感を身体に穿つように指先を優しく使う。クタクタの肉体が悲鳴を上げている。だが、俺の意思に反して、肉体が勝手に反応し、収縮し、快感を爆発させる。もう限界なのだが、この快感を手放したくない。

 先輩の下半身が俺の顔の前にあった。俺は尻を突き出して、先輩の指をねだり続ける。堪らず、半勃ちの竿を咥えた。欲しいと思ったのだ。口腔内の粘膜を使ってクチュクチュとしゃぶっていると先輩は完全勃起した。太い竿の先端だけで口一杯になってしまう。恐る恐る飲み込んで、喉まで先輩を受け入れる。喉の辛さを感じる前に尻の奥が感じすぎて、ただひたすら先輩を出し入れした。

 先輩の指の動きが激しさを増す。快感はほとんど連続的に俺を支配し、もう何も考えられない。尻の奥がジュクジュクと潤んで、溢れて、ドロドロに融解しているようだった。先輩の太く硬い棒が前と後ろ同時に俺を犯す。朦朧とした意識の中で、俺は二人の男に前後から貫かれ、ひぃひぃ鳴きながら随喜の涙を流す。

 もう我慢できなくなったのか、俺の口から完全勃起した肉棒を引きずり出し、後ろに回った。そして、既にトロトロに仕上がった俺のマンコ、そうだ、もう既にここは尻の穴なんかじゃない、立派なマンコだった。有無を言わせずズッポリと嵌め、容赦ない腰使いで俺を犯した。先輩の肉体から大量の汗が溢れ出し、俺の背中をグッショリと濡らす。呼吸だけの激しい息遣いが俺の耳朶を打つ。まるで、獣の交尾そのものだった。

 先輩の腰使いが激し過ぎて、快感を楽しむ余裕がない。イキっ放しの狂った状態。とっくに限界は突破しているはずなのだが、身体が勝手に反応し、欲望を発散しつくす。後で、分かったことなのだが、このとき、俺は大量の子種を垂れ流していた。だが、イキっ放しだった俺は、それがトコロテンと呼ばれる状態だとは知らない。先輩の太く硬い肉棒で無茶苦茶に内蔵を突かれ、抉られ、捏ねられて、トロトロだ。肉体も精神も壊れたように、俺は叫び、腰を突き出し、激しい先輩を受け入れた。

 尻に先輩を突っ込まれて感じたことがないだ?とんでもない。俺のそこは、マンコになってしまっていて、指だけでイキっ放しの変態野郎いっちょ上がりだ。

 今後、俺は、薄い化繊のウェア越しに先輩の膨らみを見ただけで発情し、物欲しそうに凝視するに違いない。そう実感する出来事になった。


2022年7月11日月曜日

ディープな世界15

  俺の筋肉は、ハードなトレーニングとエナジー不足で、玉子豆腐のようにグズグズだ。力が入らなくて、頭がボーッとしている。先輩にされるままシャワーを浴びて、ケツも綺麗にされた。バスタオルで全身を丁寧に拭われた後、ジムの鏡の前に移動する。プレス用のベンチを3つ並べてうつ伏せに寝かされる。

 たっぷりのローションが背中の窪みに落とされて、ヒンヤリとした粘液の感触が広がってゆく。全身に塗り拡げながら熱くなった筋肉をクールダウンさせるために、丁寧にマッサージしてくれる。とても気持ちよくて、このまま眠ってしまいそうになる。全身が弛緩して夢現の状態で、先輩の指が中に入ってくるのを感じた。急がず、優しく、無理せず、ゆっくりと。

 先輩の指が内側の粘膜をマッサージする。弛緩したままの俺は、その心地よさに夢見心地だ。指先がくりくり動いて俺の敏感な部分を刺激する。先輩のチンポを突っ込まれて、ゴリゴリ犯されることを気持ちいいとは感じないのだけれど、この内臓の奥を優しくクリクリされると何かが少しずつ切羽詰まってくる。よくは判らないのだが、とても甘酸っぱい感覚で、内側から何かが溢れ出しそうになるのだ。俺は目を瞑って弛緩した状態でその感覚を楽しむ。

 いつの間にか俺の股間はギンギンに育っていて、何故か先輩の指先で刺激される感覚が鋭敏になっている。快感が積み上げられて、もう少しで溢れそうな、もどかしい感じだった。最初に俺を咥えてくれて以来、先輩は俺の股間を触らない。簡単に快感を得られるはずのそこを避けて、ゆっくりと俺の快感を導き、溢れさせる。

 しかし、今日はなんだか変だ。昂ぶって、もう少しで溢れ出しそうになると刺激を中断され、焦らされる。もうちょっとで爆発しそうなのに、それを許されない。悶々とした鬱屈が溜まってゆく。俺が焦れているのを先輩は的確に掴んでいるはずだ。もう少しというところでお預けばかりなのだ。

「先輩。。。」

 思わず、俺は先輩におねだりしてしまった。もう限界なのだ。出させて欲しい。だが、先輩はガン無視である。少し下火になると、また指先がクリクリと俺を刺激し、快感を積もらせる。勃起したことで鋭敏になった快感が奥の方で出口を求めて乱反射している感じ。何かが奥でぐぐっと収縮した瞬間、下半身が勝手に痙攣し始めたのだ。びっくりする暇もなく、強烈な快感に意識を持っていかれる。

「あっあぁあぁぁぅああぁぅあぅうぁぁぁぁ」

 俺の口から意味不明の母音が溢れた。大殿筋と大腿筋と腹筋が極限まで収縮した。ほとんどこむら返り状態だ。違うのは痛みではなく、強烈な快感が俺を襲っていたことだ。まるで、射精の快感が長く続く感じだ。確かめてみたが、ギンギンの勃起から、透明な粘液以外は出ていないのに、射精の快感が俺を襲う。先輩の指の動きが止まると、しばらくして痙攣は収まるが、少し刺激されただけで、再び収縮する。と同時に爆発的な快感が俺を蹂躙する。

「ひぃあひあぃあぅあああぅ。。。」

 先輩、助けて。無理。無理。やめて。いや止めないで。

 ゼィゼィと荒い呼吸と一緒に、意味をなさない言葉が迸る。

ディープな世界14

  学生生活にも十分慣れた。毎日、真面目に講義を受け、アルバイトに勤しみ、クラブ・サークル活動の代わりのジム通い。同年代の友人と遊んだり、飲みに行くのも楽しいのだけれど、ジムの先輩とトレーニングの話をする方がずっと楽しいと感じる。だから、最後の講義が終わると友人達とダベるのもそこそこにジムに向かう。

 ただ、問題なのは、先輩の調教がますます危ないゾーンに入っていることなのだ。この間だって、触覚以外の感覚を奪われて、乳首への刺激だけでイカされてしまった。乳首が気持ちいいってことすら知らない初男が、化繊のウェアの上から執念深く弄られただけで、子種を漏らしてしまう変態に堕ちたのだ。

 俺はストレートのつもりなのだけれど、奥手で彼女いない歴18年のところに、強烈な性的快感を植え付けられ、どんどん深みに嵌っていく恐怖を感じている。まるで、殻を破ったばかりの雛が目の前に居る動く存在を親だと認識するみたいに、今の俺は先輩が性の師匠化していて、先輩のちょっとした所作で勃起するくらい調教されてしまっている。

 基本的にLGBTに対する偏見は少ない方だったので、気持ちいいからいいじゃんて俺と、ハマりすぎると戻れなくなる気がするからマズくね?て俺が拮抗している状態なのだった。ジムで汗を流す肉感的な女性をエロいと感じる以上に、筋肉まみれの男の胸筋や股間の膨らみ、大殿筋のへこみにそそるようになってしまっていて焦りを感じる。だが、性的刺激というものは、直感であって、論理的な思考の結果ではないと思うのだ。下半身が勝手に反応してしまうのは、先輩の調教が上手すぎるからなのだろうけれど、俺の身体は改造されてどんどん筋肉が厚くなってゆくと同時に、性的興奮の結果が股間ではなく、もっと奥のほうが潤となることが大問題なのかもしれない。

 そう。肉体はどんどん肥大して雄化しているのに、内側はどんどん雌化しているような気がする。先が見通せない恐怖に慄きながら、それでも俺の肉体は勝手に反応してしまう。

 ジムでは、先輩方の厳しい指導を受け、筋肉を極限まで追い込み続ける。ギリギリまで筋肉を酷使するから、終わった後は腰砕けになって動くこともままならないし、エネルギーが底を付いて無性に食欲が湧く。早く何かを胃に詰め込みたい衝動に駆られる訳だが、みんな帰ってしまったジムに残された俺は、さらに先輩に扱かれるのだった。エナジーがエンプティ。やり過ぎは禁物なんだが、残された脂肪が燃焼され脂肪率が下がる。もう無理の先に筋肥大が待っている。

 全身の筋肉が限界を突破していて、エナジーもスッカラカンの俺は、まっすぐ歩けない状態で先輩が優しくシャワーを浴びさせてくれる。ボディソープで丁寧に全身を洗い、マッサージしながら筋肉を解してくれる。当然、それだけでは済まなくて、尻の穴から湯を大量に注がれて綺麗になるまで洗われる。何度か経験したけれど、まだ、この行為だけは、諸手を挙げて気持ちいいとは言えない。今日は、ケツを調教される日のようだ。


2022年4月6日水曜日

ディープな世界13

 経験したことのない快感に翻弄されて、自らの意思を示さなかったこともあって、先輩はグイグイ差し込んでくる。というか、意識せず待ち望んでしまっていて、尻をさわと撫でられるだけで、勃起するまでになっていた。

 先輩が組んだトレーニングメニューを確実にこなしてゆく日々なのだが、木曜日は居残りでみっちり先輩の指導を受ける日とされた。もちろん、トレーニングも集中的に指導される訳だけれども、当然、トレーニング後の別のメニューも組まれていて、俺はどんどん深みに嵌ってゆく。

 今、アイマスクで視覚を閉じられ、ヘッドホンで聴覚を支配されて、快感に悶えている。最初の時は、シャワールームでフェラされただけだったのだが、段々とペニスへの直接的な刺激は減らされて、乳首中心の攻めに変わっている。先輩によると乳首だけで男もイケるらしいのだ。マジか!

 アイマスクで視覚情報がないから、聴覚と触覚が際立ち、妄想が膨らんでゆく。流される音源は、どうやら先輩が過去のエッチの際に録音したものらしい。攻められている側の喘ぎ声は、ほとんど女のそれのようで、若干、引き気味だが、囁く先輩の声がエロい。

「濡れまくりじゃねぇか。。。卑猥な顔しやがって」

「ほら。これが欲しいんだろ?じゃどうすんだ?お願いしてみな」

「ああそうだ。ここは、おまんこだ。気持ちいいのか?そんなに。とろとろじゃねぇか」

「入ったぞ。奥まで欲しいのか?ああ。お前の中は温かい」

「ここか?ここが感じるのか?切羽詰まってきたな。当たるのか?」

「もうすぐだ。。。感じるだろ?もうすぐ来る」

「おお。締まるぞ。イキまくりじゃねぇか。もっと感じろ。俺を感じろ」

 まるで、先輩が男を抱いている様子をその側で盗み見しているような感覚だった。先輩のいきり勃ったペニスが男の後ろに突き刺さっていて、尻だけをカクカクと卑猥に振って後ろから犯している。汗に濡れた2人の男が、身体を重ね、ひとつになって悶えている。舌と唇で首筋を愛撫しながら先輩の囁く卑猥な言葉が男を狂わせる。

「あっ。。。イク。。。」

 先輩の言った通り、乳首を刺激され続けただけで、俺は白濁の粘液を溢れさせた。薄い化繊のスパッツから盛り上がり、滲み出た大量の子種が太腿を伝い落ちるのを感じた。


2022年4月4日月曜日

ディープな世界12

 突然、刺激をやめた先輩が、ロッカーの荷物をゴソゴソと漁って、大きめのワイヤレス・ヘッドホン持ってきた。そして、俺の両耳をヘッドホンで覆った。先輩のスマホとヘッドホンは、ペアリングされているようだ。流れてきた環境音楽を聞く限り、かなり高級そうな高音質のもので、ノイズキャンセリング機能もあるようだった。

 雑然とした街の騒音がシャットアウトされて、俺の周りを柔らかな殻で包んだような感じだ。小川を流れる水のせせらぎや小鳥のさえずりが心地よく内耳に染みる。視覚は全面ガラスの壁に写ったトレーニングする自分と先輩でいっぱい。先輩は俺の乳首とペニスに刺激を与えることに余念がない。

 先輩が手元でスマホを操作し、音楽を切り替える。しばらく、無音が続いた後、クチュクチュと何か湿ったものを擦るような音が聞こえてきた。音だけから、状況を慮るために想像が膨らだ。息遣いや小さく漏れる母音系の声から、2人の人がエッチなことをしているように思えた。やりたい盛りの男子である俺には、それだけで十分なおかずになる。先輩が持っている音源だから、男同士のセックス?それとも、男女のセックス?状況は手マン?フェラ?それとも合体?目を瞑って音場に集中するとイメージの中に部屋の様子が浮かび上がってくる。

 ベッドに全裸で上向きに寝転んでいる人の横に別の裸の男が添い寝していて、片方の手が相手の股間に伸びている。もう片方で身体を支えながら、互いの舌を吸い合うディープキスをしている。股間に伸びた指先が相手の中に差し込まれ、卑猥にうごめいてピチャピチャ湿った音がしている。顔が少し下に動いて、相手の乳首を執拗に舐め回すと相手の顔が仰け反り、口が半開きになって、控えめな母音の音が漏れる。

 先輩の指の動きは止まらない。2人の人がまぐわう音から、想像が膨らんで頭の中で愛し合う2人が勝手に再生される。いつの間にか、愛撫されているのは俺に置き換わっていた。ベッドの上で乳首と股間の同時責めを受けて悶えているのは俺自身でった。

 その頃、トレーニングを続ける余裕はなくて、ダンベルを置いてベンチに座っている。肘を太腿に置いて身体を支える状態で固まって、愛撫に集中していた。耳から入ってきた音や声が頭蓋内を占有し、肉体的刺激が俺をあふれさせる。

「あっあぁあぅぅあっぁぁぁぁ。。。駄目。。。無理。。。。」

 自分の呟く声が耳から入ってこないから、なんか変な感じだ。下腹部が極限まで昂ぶって、今にも溢れそうだ。もう抑え込んでいるのは無理だった。

「出る。。。イク。。。イクイクイク」

 濡れた掌で捏ね繰り回されて、俺は雄汁を拭き上げる。白い粘液がスパッツから滲み出して垂れてゆく。何度も吹き上げた子種が次々滲み出してきて垂れ落ちた。


2022年4月1日金曜日

ディープな世界11

  自分でも分かるほど呼吸が早い。トレーニングの所為ではなくて、乳首への刺激による興奮のためであることは明らかだ。既にペニスはギンギンで、スパッツの前は異様に膨らんでいる。前回はフェラの快感を教えられ、今回は乳首の快感を摺り込まれているようだ。俺自信が知らない肉体の不思議を教え込まれていったら、どうなってしまうのか不安である。カールは続けているが、コンセントレーションは上腕二頭筋にではなく、胸の突起に向かう。

 亀頭の粘膜に集中的に愛撫されて気持ち良くなるのは頷けるのだが、男の乳首がこれ程の感度だとは知らなかった。こんな快感に目覚めてしまったら、スパッツを着てトレーニングするのが難しくなるんじゃないだろうか。ダンベルを上げ下げするたびに、乳首で感じていたらトレーニングにならない。

 にしても気持ちいい。正直、先走りが止まらず、恥ずかしいくらいスパッツの前が濡れていた。

「あっ。。。先輩。。。駄目っすよ。。。勘弁してください」

「先走りで前がベトベトに濡れてる状態で、勘弁もないだろうに。身体は正直だな。ギンギンに勃起してるじゃないか。して欲しかったんだろ?フェラの方がいいか?」

 俺は今、沼に引きずり込まれようとしているのだという自覚はあった。だが、意識の静止を振り切って、身体が勝手に暴走する。

「あっ。。。」

 先走りで湿った部分を塗り拡げるように指の腹で撫でられた。とても敏感な鈴口の内側に布越しの指先が当たって声が出た。

「鏡の中の自分を見てみろ。エロい顔してるぞ。気持ちいいんだろ?どうして、抵抗する?俺が男だからか?気持ちいいのに関係ないだろ?ほら。先走りがどんどん溢れてくるじゃないか」

 先輩は俺の耳元で、催眠術でも掛けるように囁く。

「ほら。カールを続けろ。集中するんだ。何も考えなくていい。集中しろ。内側の深いところまで染み込んでゆく。。。」

 確かに、胸と股間の突起の先に加えられた刺激が肉体の奥の方に染み込んでゆく。先輩の指の接触は、快感として脊髄に伝えられ、脳にではなく下腹部の奥の方に吸い込まれてゆくようだった。指先で生まれた快感が俺の奥に降り積もり、溜め込まれてゆく。

 前回とは違って先輩の指先が俺の中にある訳じゃないのに、奥のある部分が切ない。何か知らない器官が疼いているようだった。



2022年3月31日木曜日

ディープな世界10

  翌日からも普段どおりの日々が続いた。いつものように大学に通い、いつものようにジムでトレーニングをこなす。翌日にジムに行ったときも豊先輩に会ったが、凄い気になる俺とは対象的に普段どおりの様子で面食らう。俺のペニスを強引にしゃぶり、大量に発射したザーメンを全て飲み干したのに関わらずだ。俺への接し方も普通だった。ひとりドギマギしている俺が馬鹿らしかった。

 1週間が過ぎて、先輩のことを必要以上に意識しなくなったある日、店長が先に上がり、他の人達も三々五々に帰ってしまっていたのだが、鏡とにらめっこしながら、コンセントレーションカールに集中していたので、先輩と二人きりになっていることに気づかなった。

 集中してトレーニングしていると、突然、先輩がベンチの後ろに座ってくる。

「続けろ」

 耳元で先輩が囁く。一瞬、びくりと身構えるが、カールを続けた。先輩が俺に密着してくる。そして、両手を前に回してきて、おもむろに乳首を摘んだ。身体がビクリと跳ねてダンベルを落としそうになる。

「わっ。何するんですか!危ないじゃないですか!」

「敏感だな。気持ちいいのか?」

 俺の非難などどこ吹く風で先輩が呟く。

「おお。さすが若者。いきなりフル勃起かよ。スパッツの前がパッツンパッツンだぞ」

 恥ずかしくて顔が上気した。

「休むな。続けろ」

 そんな無茶な指示をしながら、指先で愛撫してくる。自分でもびっくりなのだが、男の乳首がこれほど敏感なことに驚く。瞬間的に勃起するほど、凄い気持ち良かったのだ。

「あ。。。それは。。。」

 汗で濡れたスパッツが地肌に張り付いていて、触れるか触れないかの微妙なタッチで愛撫されると堪らなかった。

「いいなぁ。おまえ。そそる表情するなぁ。最高だよ」

「ちょっ。。。マジ。。。やめてください」

 2本の指の腹で軽く摘まれると腰砕けになりそうだ。

「先端が濡れてるぞ。もう溢れてるのか?意外と淫乱だな。おまえ」

 立ち上がりそうになったとき、「動くな!」とかなり大きな声で命令されて萎縮する。乳首への愛撫は止まらない。

「トレーニングが疎かになってる。続けろ」

 冷淡な声で命令されると俺は逆らえないで、渋々カールを続けた。

2022年3月30日水曜日

ディープな世界09

  あまりに衝撃だったので、何度も繰り返して申し訳ないが、先輩のフェラは極上だった。それは、経験がないチェリーだから比較する術もないのだけれど、少なくとも左手が恋人歴19年の俺にとっては、天井からタライが落ちてきて脳天を直撃したくらいの衝撃なのだった。

 気持ちよすぎて早く出したい衝動と、もっと長い間、この快感を味わっていたい衝動が俺の中で鍔迫り合いを繰り返している。ちょっと気を許したら持っていかれる程のタックルで、玉が収縮しながら上がってきて、下腹部の奥の方が鈍く痛い。

 フェラの快感とは別に中に突っ込まれた指先の動きを粘膜で感じていた。決して、気持ち良い訳ではなかったが、フェラの快感が際立って混乱する。徐々に早くなってゆく呼吸、胸が激しく上下し始め、下腹部の奥が迫り上がってくる。目を瞑ってイキそうになるのを耐え、発射の極限に備える。

「駄目。。。先輩。。。出そう。。。我慢できなくなってきた。。。出る。。。やめて」

 このままだと先輩の中に暴発してしまう。肩を押して先輩を引き剥がそうとするが、やめて欲しくなくて力が入らない。先輩は、俺が切羽詰まっているのを察知しているようだったが、全然気にしていない様子だ。中に発射してもいいのかな。もう無理だ。

 ケツの穴が収縮して先輩の指を締め付け、太腿が小刻みに痙攣を始める。脹脛が極限まで収縮してつま先立ちになる。

「あっ。。。出る。。。イク。。。イクイクイク」

 我慢できず、無意識のうちに先輩の頭を両手で抱えて、ガツガツと腰を振ってしまう。数回、腰を振り、奥まで突っ込んだところで大爆発した。何度も何度も子種が吹き上げ、体験したことのない快感が俺の下半身を持ってゆく。全身の筋肉がガチガチに収縮して、つま先立ちのまま固まっていた。まだ、子種を送り出す快感の余韻が下半身を占めている。

「はぁぁ。。。」

 心臓が口から零れ落ちそうな大きな息を吐いて弛緩する。慌てて先輩の顔を覗き込んだ。

「あっ。。。ごめんなさい。大丈夫です。。。か?」

 先輩はやっと俺を吐き出しニタリと笑んだ。

「凄い量だな。若者。美味かったぞ」

 いつものニヒルな表情に戻った先輩が、恥ずかしい追い打ちを掛けてきた。口を開けて見せて、そこに何もないことを示しながら。

「え?飲んじゃったんですか?」

「ずっと欲しかったものだからな。一滴も零す訳ないだろ」

「マジっすか。。。」

「粘りが強い濃厚で、苦味と青臭みがなんとも言えず美味である」

「・・・・・」

 その味覚と感覚は共有できそうもなかった。


ディープな世界08

  筋肉達磨の逞しい男がが俺の前に跪いて、ペニスを美味そうにしゃぶっている。今日この日まで想像もしたことがなかった驚愕の現実に放り込まれた。どうせなら可愛い女の子にして欲しいと思うが、気持ちいいのも事実で、現実の快楽を優先してしまう。

 目を瞑って下腹部に神経を集中させる。経験したことのない快感が、ドクドクと下腹部の奥の方がうごめく感覚だった。ボディローションを手に取った先輩の指が再び後ろを伺う。股を締めケツタブを引き締めて侵入を拒絶する。だが、先輩の舌が亀頭の裏を舐め上げた瞬間、耐えきれず弛緩してしまった。すかさず先輩の指が割れ目の奥に達し、肛門の柔らかな粘膜を撫でる。ぞわりと鳥肌が立った。しかし、恐ろしいことに、それは、嫌悪感でも恐怖でもなく、さらなる快感を秘めた愛撫だったのだ。

 だが、これ以上、先輩に身を任せる危険を感じていた。俺は、再び大臀筋と大腿筋に力を込めて、先輩の腕と指先の自由を奪う。掴んでいた両肩を少し押して、無理やり身体を離した。強引にフェラチオを中断された先輩は、少しムッとした顔をした後で、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

『力比べをしようというんだな?ここまで許しておいて、俺の暴走が止まるはずがないだろ』

 そんな表情だ。ギンギンに勃起したペニスを見せつけるように腰を突き出した後、先輩が俺の玉を握りしめた。あまりの痛さに悲鳴を上げる。

「痛い!何するんですか!」

 あまりの痛さに防御が疎かになる。そして、その瞬間を見逃さず、先輩の指が侵入した。突然のことだったので反撃できなかった。

「痛いって。やめてください。無理やりなんて酷いじゃないですか」

 先輩は何も言い返さず、俺の半勃起になったペニスを口に含んだ。と同時に指先で奥をまさぐる。そんなところに指を突っ込んでも意味があるなんて思えなかった。代用として使うのは知っているが、ネットにたくさん落ちているデマのひとつだと認識していた。

 先輩のフェラは匠で、的確に俺の気持ち良いポイントを突いてくる。突っ込まれた指は、1本だったからか、痛みは既に引いている。だが、その指先の動きが俺を興奮させることもなかった。痛くないなら、先輩のモノを突っ込もうとしないのなら、別に良いかという気分になった。それほど、先輩のフェラは極上だったのだった。

「無理ですからね。後ろはそれ以上」

 俺をしゃぶりながら先輩は頷いた。

2022年3月29日火曜日

ディープな世界07

  先輩は完全勃起の俺のペニスを喉の奥まで咥え込んで緩やかに頭を前後させた。亀頭だけが口の中に残るまで頭を引き、先輩の唇が俺の下腹部に接触するまで飲み込む。たぶん、喉までペニスが達している筈で、少し辛そうにしながらも嘔吐することなく飲み込んでしまうのが凄い。いや。凄いとか観察している場合か。

「先輩。豊先輩。。。やめて下さい。。。」

 先輩を拒否する言葉は弱々しい。先輩は動きを止め、俺を咥え込んだまま上目遣いに俺を見つめ返す。『気持ちいいんだろ?しゃぶるくらいいいだろ?』先輩の瞳が物語っている。実際に俺は強く拒否できないでいるし、先輩を無理やり引き剥がして、なじる勇気もない。

「でも。。。男同士だし。。。」

 奥まで再び飲み込まれて、粘膜に包み込まれながら擦られる快感に甘い鼻息が漏れる。突然、先輩が口を離し俺を開放した。少しホッとしながらも、なんとなく残念な気持ちになる。男の口だとしても直接的な愛撫が気持ち良かったのも事実なのだ。躊躇を読んだらしい先輩が、俺の手を握りしめ、シャワー室に引っ張ってゆく。少し抵抗したが先輩は諦める気がないらしく、半ば強引に連れ込まれた。

「俺はゲイだ。男が好きだ。おまえが好きだ。お前を気持ちよくしたい。駄目か?」

 シャワー室で壁ドンされて囁かれた。今、先輩を拒絶しないとズルズルとヤラれてしまいそうだった。だが、恋愛とは関係ないところで先輩が好きだったし、逞しい大人として憧れてもいた。そして、もし、ここで拒絶すれば、このジムを去らなければならないことになると計算もしていた。それは嫌だったのだ。

 シャワーの栓をひねり温い湯にふたりで打たれる。薄い化繊のスパッツが湯に濡れて肌に密着する。まるで両生類の濡れた肌のようだ。生地越しに先輩のペニスが顕になり、俺はドキリとした。普段の力ない状態は何度も目にしているが、これほど雄々しく太々しい大人のペニスを見たのは初めてだったから。

 先輩は、再び俺を飲み込んだ。無言を同意と受け取ったようだ。心の準備がないままに、濃厚なペッティングに突入してしまったようだ。気持ちが良いのは事実だし、特に嫌悪感もなかったから、されるが儘になってゆく。渋々ながらも受け入れた瞬間、快感が倍増したようで、思わず吐息が漏れた。すげぇ気持ちいい。

 シャワーに濡れながら淫靡な情事をしている後ろめたさが、逆に俺を興奮へといざなう。先輩の両肩を握りしめて、快感に耐えた。気を許したら、すぐにでも射精してしまいそうなくらい気持ちよかったのだ。

『いいぞ?いつでも射って』

 俺は首を振る。どうせ、背徳的な淫らな行為に堕ちて、快感に溺れるのなら徹底的に貪りたい。そうだ。俺はまだ女の良さも知らないのだ。たまたま、初体験の相手が男だっただけ。そう思うことにした。

 考えてみれば、肉体改造に嵌ったのは、逞しい男の肉体に憧れたからなのだ。グロテスクなそれではなく、美しくセクシーな肉体に。ひょろりとした球技が不得手な男ではなく、憧れの視線を送られる男になりたかった。先輩の肉体は、正にそれで、惚れ惚れするほど美しくセクシーな筋肉のバランスを体現していた。その憧れの気持が愛情になることは、たぶん、ないと思うけれど、先輩の溢れんばかりの欲情に流されてしまったようだ。

 先輩の長い指が後ろをまさぐる。流石に、そこに突っ込まれることには抵抗があった。太腿と尻に力が入り、先輩を拒絶した。身を固くした俺を感じて、それ以上、強引にすることはなかった。

 粘膜接触の快感に浸り、再び肉体が弛緩する。先輩の舌使いが絶妙で、さらに喉の粘膜で締め上げられて、崩れ落ちそうな快感が背筋を這い登ってゆく。

「あぁ気持ち良い。。。」

 思わず本音が漏れてしまった。


ディープな世界06

  その日、俺は豊先輩のベンチプレスの補助に入っていた。トレーニングしていたのは、俺達だけで、用事があった店長は先に帰っていた。先輩は、重量を上げて、まだ、回数が少なかったので、万が一のために補助をする。バーベルを持ち上げると同時に脚を踏ん張り、全身の筋肉が収縮する。何度かバーベルを持ち上げ、極限まで筋肉を使った最後の回に、バーベルを持ち上げ受けに戻す。先輩の筋肉が一回り大きくなったように感じた。

 最大限まで筋力を使い切った先輩はゼイゼイと肩で息をしている。ふと見た視線を俺は外せなくて固まってしまった。薄いスパッツの股間が巨大に膨らんでいたのだ。他人の勃起を見た経験がないので、こちらの方がドギマギしてしまう。

 たぶん、全身の筋肉が一気に収縮した後に、緊張から開放された心臓が、爆発的な血流を肉体全体に送り、無意識のうちにペニスが膨張したのだろう。俺的に、それなりの納得が得られる結論に安心した訳だが、ベンチに寝転んだままの先輩の視線が俺の股間に集中していることに気づく。先輩の熱い視線が俺を捉えて放さない。

 確かに、俺のモノはでかい。練習後に筋肉チェックしたり、シャワー後の素っ裸でバスタオルを使う俺のそれを店長や先輩たちは何度もからかった。まだ、一度も使ったことがないピンク色の亀頭や半分皮を被った様子を初々しいと楽しそうに弄るのだ。そういうノリは、体育会系ではよくあることだと理解していたから、照れ笑いでスルーするしかないのだけれど。

「あぁもう無理だ。我慢ならん」

 豊先輩がベンチから身体を起こし、俺の方に突進してくる。思わず後ずさりした俺だったが、壁際まで追い込まれて逃げ場を失う。他に誰もいないので、助けを呼ぶこともできなかった。

「え?何?先輩。。。どうしたんですか?」

 だが、先輩からの返答はなく、有無を言わせずスパッツを引きずり降ろされる。そして、汗臭い俺のペニスを先輩はパクンと咥え込んでしまった。その衝撃の快感に先輩を拒絶する力は弱くなる。たとえ俺が必死に抵抗したとしても先輩の筋力の前には無意味だったかもしれないけれど。

 男にしゃぶられることを一度も想像したことなどなかったが、熱く濡れた粘膜が俺に纏わりついてくる。それは、手を使って簡単に済ませるオナニーなど比べ物にならない快感だった。思わず目を瞑って快感に耐える。太腿が震えるほどの快感が体中を巡った。

 我に返ったとき、自身の股間が完全勃起状態であることを知って、呆然とした。だって、気持ちよかったんだ。男の人とはいえ、初めてだったんだ。こんなに気持ち良いことしてもらったのは。でも、やっぱり豊先輩は男だし俺も男だ。そんなの変だ。いや、そういうのが好みの人もいることは知ってるけど、俺は女の子が好きだし。違う。

 勃起してしまった自身を取り繕うために、俺の思考は頭がクラクラするほど暴走していた。

ディープな世界05

  大学に通い、全く新しい生活を送りながら、GWを過ぎる頃には落ち着きを取り戻していた。高校のそれとは比較にならない強力な勧誘を掻い潜り、結局、クラブやサークルには所属しないことにした。ジムには毎日のように通っているし、せめてサークルには入った方が良いと勧められたのだが、同年代の人間との付き合いが、苦手になって幾久しい。

 決められたメニューを丹念にこなし、その日の成果を鏡の前で確認する。先輩や店長がチェックしながらアドバイスをくれる大切な時間だ。2時間ほどトレーニングに没頭し、一通り汗をかいたのでシャワーを浴びる。トレーニングマシーンやダンベル等の器具は充実しているが、個人経営のジムだから、風呂やシャワー室、パウダールームなどの設備は簡単なものだ。風呂はなく、シャワー室はひとつで、パウダールームは脱衣かごが入口に置いてあるだけだ。

 先輩に、先にシャワーを使う了承を得て、ウェアを脱いで籠に突っ込んだ。熱めのシャワーを頭から浴びていると1日の疲れも一緒に流れていくように感じる。借りている部屋にも風呂場はあるが、ここのシャワーで済ませてしまうことが多かった。シャンプーで短髪を軽く洗ってから、ボディローションを全身に塗りたくって汗の成分を流してしまう。たまに、ナイロンタオルで擦ることもあるが、大抵は手のひらで洗ってしまう。

 シャワーを終えて、カーテンを開けると眼の前に豊先輩が立っていてびっくりした。

「あっ。。。お先です。すみません」

「気にせんでくれ。先輩だから優先する理由はない。しかし、おまえ益々良い身体になってきたな。随分と胸筋が付いてきて、格好良くなってるぞ」

 先輩たちは、自分の筋肉を触るのと同じように他人の筋肉にも気軽にタッチする。今流行のセクハラぽいタッチというより、ほとんど魚の新鮮さや牛肉の差しの入り方を吟味するような手触りだった。

「ますます美味そうになってきた。うん。頑張れよ」

 そういって笑う。ジムの名札は道場形式で、表が赤色、裏が白色の金属プレートで、出欠を表すのだが、通常の道場なら段で顕されるクラス分けは、A~C、数字の1~5。つまり、最上級はA5で、食用牛肉と同じである。

 当然、店長はA5、豊先輩はA2、俺はB4のクラス分けである。ここのジムに在籍しているアスリートは約50人で、常時、ジムで会うのは30人くらいだろうか。先輩でも俺より下のクラスは大勢いるので、それなりに評価されているのが分かる。

 そして、順調に月日は巡り、2回生になった春に事件は起こった。


2022年3月28日月曜日

ディープな世界04

  店主は、俺の筋肉の弾力を確かめ、力を入れさせて、その感触も確認する。ポージングさせ、それぞれのパーツを丁寧に計測してゆく。

「ふむ。俺がおまえ用のメニューを考えておく。明日から来れるのか?」

 すでに、契約は当然の方向である。これほど、熱心なトレーナーが居るのなら断る理由はないのだが。

「はい。まだ、荷物も解いてないので、ウェアを探しておきます。大学のオリエンテーションは、来週の月曜日ですから、それまではフリーです」

「そうか、じゃ、明日メニューを説明する。大胸筋と僧帽筋、三角筋をもっと増やした方がいいな。下半身は十分な領域に達しているし、これ以上はバランスが崩れるから、減らない程度にしておくか。。。」

 店長は一人の世界に埋没し、俺の身体を触りながらメモを繰り返す。

「お?楽しそうなことしてますね。新人っすか?」

 突然、声を掛けられるまで気づかなかった。

「おぅ。豊。そこの新入生らしい。中々の仕上がりだろ。面倒みてやってくれや」

「そうっすね。高校卒業時点でこれって、中々ですね。確かに。若いだけあって、柔軟な良い筋肉してんなぁ。おまえ。名前は?」

「はい。富田隼人です。よろしくお願いします」

「隼人か。こちらこそ、よろしく。俺は、棟方豊。塾経営の自営業。独り暮らしの32歳。以上」

「そろそろ服着ていいぞ」

「はい。ありがとうございます」

「おまえ。礼儀正しいな。部活は?」

「いえ。中学まで帰宅部で、高校でも天文部でした」

「何?じゃどうやって、そこまで鍛えたんだよ」

 俺は筋力トレーニングに嵌るまでの経緯をふたりに説明する。

「へぇ。市営のジムで、専属もいないで、偉いじゃないか」

「ありがとうございます。もっと、先輩みたいな格好いい身体になりたいので、鍛えてください。よろしくお願いします」

「いやいや。煽てるのまで上手いなんて。近頃のガキは」

 こうして俺は、そのジムの一員として受け入れられた。だが、先輩が俺の身体を舐め回すようにしながら、半勃起していたことは、まだ知らない。


ディープな世界03

  高1で目覚めた俺は、まず、トレーニングの本を買い込み、トレーナーが運営するサイトで勉強した。正しい知識を得ることが、怪我なく、理想の肉体を得るための近道だと考えたからだ。そして、トレーニングセンターに通って、トレーナーに教えを請い、体力測定、目標を定めて、作成してもらったメニューに従って日々努力した。

 最初の数カ月は目覚ましい成果が得られなかったのだが、我慢してメニューをこなした。すると半年過ぎた頃から、腕や胸、腹筋、太腿など全体の筋力が増していくのを感じ、明らかに身体が分厚くなった。変化が見え始めると楽しくて、ますます嵌ってゆく。

 トレーニング後には、自宅でパンプアップしてゆく己の素っ裸を姿見に写して、ポーズを取りながら次に増量する部分を確かめるのが常だった。そして、大学に入る頃には、見違える肉体を手に入れ、ジムのトレーナーから大会にでないかと誘われるまでになっていた。

 大学に入学し、親元を離れて真っ先にしたことは、部屋の片付けではなく、近くのジムを探すことだった。都合の良いことに、下宿と大学の間に、こぢんまりとしたジムを見つけた。そこは、大手のチェーン店ではなく、個人経営のジムで、店主の若い頃の写真が額縁にいれられて飾られているような店だ。だが、店主自らトレーニングに励んできただけあって、マシンやバーベル類は本格的な品揃えで、何より店主が熱かった。

 ちょっと覗いた学生を掴まえて、トレーニング論を延々とぶち、さらには、ウェアを貸すから、普段のメニューを見せてみろと言い始める始末だ。強引な店主に勧められるままに、上半身裸になった時点で、ストップを掛けられた。無理やり奥の壁一面が鏡になっているコーナーに連れて行かれ、全裸になるように命令される。面食らってる俺に斟酌する素振りもなく、店主は腕を組んだ仁王立ちである。

「早くしろ。素っ裸になって、そこに立て」

「え。。。でも」

「何を恥ずかしがる必要がある。男同士だろ?それに、お前の肉体は、それなりに自負もあるだろ?」

 店主の視線は真面目で本気に溢れていた。その有無を言わせない態度に負けて、俺はズボンと靴下を脱ぐ。だが、最後のアンダーウェアを脱ぐことを躊躇していた。しかし、店主は容赦ない。

「さっさと脱げ。金玉ぶら下げてるんだろ?」

 ええい儘よと下着を脱ぎ、素っ裸になった。俺は高校生まで部活をしてこなかったから、人前で裸になることに慣れていないのだ。だが、店主の命令には逆らえない何かがあった。脱いだ以上、股間を手で覆うような無様はしたくない。少し足を開いて立ち、両手を腰に当てた。筋肉に力を入れない脱力した状態だ。

「ほう。。。誰かに指導を受けた訳じゃないって言ってた割には、とてもバランスが良いな。まだまだ、足りないところもあるが、綺麗な身体してるじゃないか」

 全日本でも上位に入った経験のある店主に褒められて俺は、素直に嬉しかった。


ディープな世界02

 トレーニングを始めた切っ掛けは、高校生の頃にあったある出来事だった。

 俺は子供の頃から運動音痴で、特に球技が苦手だった。小さい頃から学校の友だちは、サッカーに夢中だったけれど、最初はドンマイなんて笑っていた奴らも、あまりに鈍い俺がいると楽しめなくなったみたいで、徐々に誘われなくなった。身体を動かすことが嫌いな訳じゃないのだけれど、運動が得意な奴らとは、段々と疎遠になっていった。

 成長期の男子は、声変わりし、陰毛が生え、皮が剥けて、どんどん筋肉質になってゆく。もりもりご飯を食べて、激しい運動で筋肉を使うことで、骨が太くなり、肉体は分厚く変化してゆく。だが、積極的に身体を動かすことがなくなった俺は、身長が伸びる一方で、がっちりと男らしい体躯とは程遠い感じだった。悩み多き頃、理想と現実のギャップにも悩んでいた。

 体育の時間にチャレンジするも相変わらず球技は下手くそで、運動系の部活に入部するのは無理そうだった。唯一、得意と言っても良い水泳は、手足の長さを十二分に活かし、それなりのタイムも出たけれど、部活に入っていないので体育以外で泳ぐ機会がなかった。

 水泳の授業では、スイムウェアだけの裸になる訳だけれど、他の男子がガッチリした逞しい体格に見る見る変化してゆく中、俺は相変わらず肉が薄いぺったんこな身体で、一人恥ずかしい思いに苛まれていたのだった。せめて、本格的に水泳の練習をして、それなりの肉体になりたくて、区役所に併設された市民プールに通うことにした。

 一念発起して市民プールに望んだ初日、プールとは別にトレーニングルームがあることを知った。ガラス壁から中を覗くと、高齢者や女性を中心とした多くの人がバイクやランニング、マシンで体力づくりに頑張っている。そして、その中に、20代後半くらいの男の人がダンベルやバーベルで運動している姿があった。汗に濡れた彼の背中、胸、腕、太腿、臀部、脹脛は、驚くほどの筋量で、長年のトレーニングの結果であることが推測できた。

 そのとき、俺はこれだと思った。マシントレーニングなら球技とは違って、俺にもできそうだ。そして、俺は肉体改造に嵌った。