2021年4月20日火曜日

プリズム05

  残りの単位を残さず習得し、無事に卒業できた。入社式を終えると新入社員は、会社が用意してくれた寮でしばらく生活する。1ヶ月半の研修で、社会人としての基礎的なことから、会社組織のことや仕事の内容について学んでゆく。そんなこんなで、1ヶ月半の研修期間も終わった日に辞令を手渡された。要望が通ったみたいで、「東京技術所勤務を命ず」だったので安心した。

 翌月の朔に技術所に出勤し、各部署で紹介、挨拶をすませた後、配属された部署に赴く。同じ部署に配属された3名の新入社員を迎えてくれたのは、世話係の先輩社員だった。

 俺は、その先輩社員から目が離せない。まさか、そんな馬鹿な。硬直した俺を怪訝な目で伺っていた先輩社員がハッと顔色を変える。先輩社員も俺に気がついたようだった。そう。あのブランコでM字開脚して、複数の男達に輪姦されて喜んでいた変態男が、顔面蒼白状態で立っていた。

 2人は、ぎこちなく挨拶を交わし、居心地の悪い気分で1日を過ごした。夕刻になり、先輩が新入社員3名に呑みに行こうと誘ってきた。さすがに、初日からお誘いを断れるほど俺たちは空気読めない君ではない。俺は他の2名より思うところがあったけれど、呑みに行くことにした。

 会社からさほど離れていない居酒屋に案内され、酒を飲み、肴を食った。久しぶりのアルコールだったから、あまり強くない俺は、程よく酔っ払った。居酒屋の前で別れ、若干、千鳥足で駅に向かう。

「参ったなぁ。毎日、先輩と顔合わせるんだよなぁ。どんな顔で先輩に接したらいいんだろ」

 正直、困ったのは事実だ。だが、あのときの先輩の姿を改めて思い出して、半勃起したのも事実だった。

「もう一軒いいか?」

 突然、後ろから声を掛けられて慌てる。

「あっ。先輩」

「はい」

 とりあえず、先輩と話を合わせておいた方がいいだろうと思ったので、素直に受けた。2軒めは、先輩の行きつけの店で、奥の個室に案内された。



プリズム04

  彼の穴があまりに気持ちよくて、気を抜くとイキそうになる。根本をギュッと締めて、果てそうになるのを我慢する。爛れた粘膜に亀頭を擦りつけ、突き上げる。あれだけの男達に輪姦されたのにも関わらず、彼は勃起したままで、一度も出していないようだった。先端から大量の透明な粘液を溢れさせながらもモノを擦り上げてイッテしまうのを拒否する。

 以前、やったウケから聞いたのだが、快感の種別が違うのだそうな。彼は出すことの快感より、相手に出させ、その種を受けることの快楽と前立腺への刺激を味わうことの方が喜びなのだ。何人もの種が彼の中で混ざり合って、泡となって溢れ出す。革製のブランコの下部は、泡だった種でドロドロになっていた。

 できれば、何時間でも突っ込んでいたい。腰を突き出す度に、快感が脊髄を駆け抜ける。快感は脳髄に達して、頭蓋骨の中で爆ぜた。下腹部と太ももを必死に引き締めても、限界が近い。俺の表情を見て取った彼が呟く。

「イキたい時に出してくれ。俺の中に。溢れるくらい種付けてくれよ」

 俺の腰使いが荒くなる。俺が打ち付けると彼の身体が揺れる。クチャクチャ、パンパンと卑猥な音が響く。あぁもう無理だ。

「ぐぅぉお。マジ。無理。イク。イクイクイクイク」

 快感が限界まで膨張し、激しく叩きつけた瞬間、腰が持っていかれるくらい激しい快感が爆発した。先端がグォっと開き、大量の種がほとばしる。壊れた人形のようにガクガクと腰を振った。たぶん、今まで経験したことないくらい大量の種が出たに違いない。

 彼が俺の派手な果てようを見ながら、満足そうに笑んだ。

「気持ちよかった。ありがとう」

 ブランコに乗ってM字開脚して、体中がドロドロの種塗れなのに、とても清潔感がある彼の笑顔が対照的でドキリと心臓が跳ねた。


 本命の企業の面接で神経をすり減らした後、淫靡でねっとりと濃い夜を過ごし、体力を消耗しつくした。ホテルに戻って、ベッドに潜り込むと深い穴に落ちるように熟睡した。

 数週間後、『内定』の通知が無事届いたとき、喜んだのは勿論だったが、まず考えたのは、彼にまた会えるかなということだった。


2021年4月14日水曜日

プリズム03

  男達は彼の尻に肉棒を突っ込んで乱暴に腰を振り、下腹部を打ち付けては、激しく欲情をぶちまけた。次々と別の男が彼に覆いかぶさり、突っ込み、腰を振っては果てた。何人もの男達に犯され続ける彼の様を呆然と眺めていた。二度、三度と突っ込んでは果てるツワモノもいたが、一発ぶちまければ大抵は満足して離れてゆく。彼の周りから段々と人が居なくなり、最後にはぐったりと疲れ果てた彼がブランコに残された。

 尻の穴はもちろん、顔も、胸も、腹も、体中に男達のザーメンがべっとりと付いていた。男の視線が俺を捉える。何も言わなかったが、目が十分に物語っていた。

「そんなとこで見てないで、こっちに来いよ。ヤリに来たんだろ?カビ臭いこんな場所までわざわざやってきて、見るだけで満足なのか?来いよ。そのギンギンの肉棒を俺に突っ込んでくれ。輪姦され好きの変態マンコ野郎は嫌いか?男達のザーメンに塗れた変態になんか突っ込みたくないか?」

 男の瞳は妖艶な光を湛えていて俺を離さない。引き込まれるように男に近づいてゆく。毒蛇の真っ赤な瞳に囚われた俺は、男に触れられる位置まで近づく。指を伸ばし男の秘部を弄った。男の身体がビクリと跳ねる。あれだけの男達に犯され、輪姦されてなお、まだ男を求めるのか。指先を内部に進めると中は熱いくらいに熟していて柔らかな粘膜が指を締め付ける。ぞわぞわと蠢く粘膜が俺を捉えて吸い込まれるように感じた。

 切なそうに眉間が寄せられ、「あぁ。。。」小さい吐息が零れた。

「突っ込んで下さい。。。ザーメン塗れの汚れた俺の穴に。。。チンポ下さい。。。欲しくて、欲しくて、欲しくて。。。」

 泣きそうな表情で男は懇願する。たぶん、俺よりも少し年上に見える。こんなにもマッチョで、イケメンの彼が、相手を選ばず犯されるままに犯されて、なお、俺を欲している。突っ込んだままの指が痛いほど締め付けられた。早く突っ込んでくれと言わんばかりに。

 下着を脱ぎ捨て、勃起したままの肉棒の先端を彼に充てがった。力を入れるまでもなく、俺は彼の中に飲み込まれてゆく。ドロドロに溶けた彼の粘膜が蠢いて俺をいざない、締め付ける。

「すげぇ。。。」

 気持ち良すぎて思わず声が漏れた。引き締まった彼の腰を抱いて、腰を突き出し、奥まで入る。オナホールなど比べ物にならない快感だった。彼の必死に俺を求める視線が絡みついてくる。今にも泣きそうな表情だった。こんな風に輪姦されること、男達の性の捌け口にされることを望んではいないのに、止められない自分を呪っているかのように。

 だが、穿たれた穴は、肉棒を求めて止まない。俺は一心不乱に腰を振り、彼の粘膜を擦り上げる。あまりに良すぎて、速攻で果てそうになるが、尻の穴をきつく締めて我慢した。もっと、この快楽を味わっていたかった。


プリズム02

 俺の心臓はハイペースで鼓動を打ち、全身に汗が滲み出していた。もちろん、輪姦ものの動画を見たことはあったけれど、雄達の匂いと、息遣いがビンビンに伝わってくる臨場感は、動画とは比べ物にならなくて、体内のエロボルテージは天井知らずに上昇する。まさしく、発情しているんだと我ながら他人事のように感じた。

 目の前で盛っている男達は、外野になど興味が無いようで、俺が大部屋に入ってきたことにすら気づいていない。薄暗い部屋で、輪姦されている雄にだけ、鈍いピンライトが当たっていて、ひとりの雄だけが闇に浮いている状態だった。その筋肉質の雄は、汗とローションで照り栄えて、雄が好きな雄なら、たとえウケだとしても発情することは間違いようがない。

 男の尻には硬く屹立した肉棒が突き刺さり、何度も何度も出し入れされ、その度に男は随喜のため息を漏らす。乳首を捻られ、下腹部を弄られ、腕や脇腹の筋肉を撫で回されて、喜悦に浸る男の表情はうつろだ。髪の毛を鷲掴みにされて喉をえぐられても、抵抗することなく突っ込まれた肉棒に舌を絡めていた。

 ラガーのように鍛え上げられた肉体は完璧に俺の好みで、筋肉の上に適度な脂が乗った肉厚なものだ。大会前のボディービルダーの如くキレっキレの身体も良いが、男の肉体は、それ以上に旨そうに映った。さらに、かなりの美形で、複数の男達に輪姦されて喜ぶ変態には見えない。まぁ美形の男が変態で可笑しいというより、こんな女にモテそうな男が雄に輪姦されてヨダレ垂らしてる方が上がるといえば上がるのだけれど。

 輪姦されているイケメンを観察するのに忙しくて、横に誰かが立っているのに気づかなかった。勃起したモノを下着の上から鷲掴みにされて始めて気がつく自分自身に呆れる。俺の勃起を握りしめて硬さを確かめるように弄ってくる。男が俺の好みなら、そのまま行為になだれ込んでいただろうが、でっぷりと腹の出た初老の男だったので、手首を掴んでやんわりと拒否った。男は未練たらたらで、手の甲で優しく押しのけただけでは諦めず、何度も俺のモノを握ろうと攻めてくる。

「ごめんなさい」

 男の手を押しのけつつ呟くと、男は俺を軽く睨みつけ、小さく舌を鳴らして離れていった。心のなかで、ため息を吐いた。発展場にヤリに来ているのはお互い様なのだけれど、いくらギンギンに勃起しているからといって、誰でも良い訳ではないのだ。複数の男達に輪姦されている仲間に入って男に触れたい半面、臆して距離を取って眺めるのみだった。


2021年4月7日水曜日

プリズム01

  比較的真面目な大学生活を送っていたから、単位の心配はなかったが、無事卒業できる目処がついた。これで、安心して就活ができる。狙いは技術が売りの中堅企業、大手よりで、東京技術所勤務だった。基本的には、WEBで就活が進んだのだけれど、本命の企業から、本社面接の知らせが届いた。大学入試なんか比較にならないほど緊張しまくりだったが、念を入れた面接対策通りに受け答えは出来たと思う。小手先の対策なんて、企業の人事部門の眼力には通じない。ただひたすら、ここで働きたいという熱意を正直に伝えることが重要だと思った。

 内定通知が届くまで安心はできないけれど、手応えは十分に合ったように思う。今日の予定を全て終えて、夕刻にはホテルに戻った。着慣れないスーツが窮屈で、全て脱ぎ捨ててシャワーを浴びる。大きな真っ白のバスタオルで頭を拭き拭き、ガラス窓から都心の街並みを見下ろす。眼下には喧騒が見えているのに、全く音が伝わってこなくて現実感がなかった。

 俺は生まれてこの方、ずっと田舎暮しで、都心の生活に憧れと不安を抱いている。大学も地方大学だったから、100万都市以上の生活経験がない。まぁ昭和の頃とは違って、要不要を問わず情報だけは溢れかえっているから、お上りさんのように振る舞う心配はなかったが、内心ドキドキなのは隠しようがなかった。

 普段着に着替えて、事前に調べていた場所にやってきた。素知らぬふうを装って、飲食店舗が1Fに並ぶビルの前を通り過ぎる。誰が見ている訳でもないのに、心臓がバクバクして、頭が逆上せる。何度かビルの玄関前を往復した後で、覚悟を決めて玄関を潜った。階段を降りてゆくと配管がむき出しになったコンクリート壁の廊下に裸電球がぶら下がっている。淫靡な雰囲気が漂う暗い廊下を進み、鉄扉の前に行き着いた。

 入店の意思を伝え、所定の金額を支払って真っ赤なロッカールームで下着だけの裸になる。時間が早いからなのか、店内はとても静かで人の気配はほとんどなかった。ドキドキしながら店内を探索する。発展場が初めてではないけれど、経験豊富なイケイケでもないので、鼓動は激しい。店内はあまり広くはなく、個室が10部屋程度と大部屋が複数あった。

 一番奥まったところにある大部屋を覗いて、俺は固まった。ここに至るまでの各部屋は、数人の手持ち無沙汰な男達が壁にもたれているだけだったのだが、この部屋だけは別だった。雄の、それも発情しきった雄の汗と精子の匂いが充満していたのだった。

 その中心は鍛え上げられた身体の男が革製のブランコに乗っていて、何人もの男達が群がり、男の上下の穴にペニスを突っ込んで、一心に腰を振っていた。前後左右全方位から腕が伸び、乳首、下腹部、玉、胸、腹筋を複数の掌が弄っている。俺は放心したまま、そのあまりに刺激的な状況を輪の外から眺めるしかなかった。