死ぬほど忙しい訳ではないが、適度に仕事がバタバタしている。
仕事がバタバタしていると私生活でも何か落ち着かない。
基本的に独りで居ることが心地よい質ではあるし、ほぼ毎週末に彼と飲食して、どちらかの部屋に泊まる。
たまに、友人たちと飲みにも行くし、古い友人たちと昔話で盛り上がることもある。
最近、海外には出かけないけれど、年に幾度かは国内旅行に行きリフレッシュもする。
けれど、日常は、全くイベントの発生しない同じ時間の繰り返し。
俺は、それを「ボケボケする」と呼び、「俺の趣味はボケボケ」と公言している。
何の変哲もない日々の、ゆったりと流れる時間をありのままに過ごす。
あまり、残り時間が長いとは思えないし、今まで一生懸命、遮二無二、生きてきたとも思わない。
ただただ、流されるままの人生で、それが自分にとっては心地よいのだと感じている。
とても充実した人生だった訳では勿論ない。
だが、十分に自分は幸せだと感じている。
何かの言葉や出来事が引き金となって、突然に訪れるフラッシュバックで、後悔や羞恥に身悶えるときもあるけれど、それが人生だと自分を鎮める。
唐突だし、ここを訪れてくれる人には周知のことだが、俺はゲイだ。
つまり男性同性愛者で、異性とは全く経験がない独身の童貞男だ。
女になりたいと思わないから、女装することもないし、女言葉を使うことも、ホルモン注射したいとも思わない。
男である俺が、男に性的興奮を覚えるという自分ではどうしようもない性癖なのだ。
性癖?癖なのか?
ゲイであることは俺にとって選択ではない。
どちらかを選べるのだとしたら、無論、俺はノンケを選んだ。
選ばせてもらえなかったのだ。
若い頃は一通り悩みもしたし、どうにかならないかと考えてもみたけれど、明快で美しい答えはなかった。
たぶん、ほとんどの同類がそうだろうと思うが、世間に自分がゲイであることを主張もしないし、権利を認めて欲しいとも思わない。
LGBTQと一括りにされるのも御免だし、多種多様な同調圧力も鬱陶しい。
ただ、これが俺なのだと諦めて、変哲のない日々を過ごすだけ。
なるべく他人に迷惑をかけないから、放っておいて欲しいと思うだけ。
俺の趣味はボケボケ。
そう嘯いて、日々の時間をひたすら浪費し続ける。
世界や歴史に爪痕を残したいとも思わないし、残せるほどの能力もない。
後に何も残さず、できれば、海にでも山にでも灰を撒いて欲しいと思う。
彼が好きだし、たぶん、彼も俺を好きだと思ってくれている。
適度に友人はいるし、それは老若男女構わず分布する。
家族や周囲の人間に積極的にカミングアウトせず、分かって欲しいとも思わない。
たぶん、脳の何処か一部が壊れているのだろう。
ネジが何本か足りないのだと思う。
結果、家族にすら愛情を感じない。どうでもいい。
虐待された訳じゃなさそうだし、自分でも不思議なのだ。
転じて、唐突だけれど、良い年になっても、忘れた頃に性欲は湧いてくる。
俺はバリウケで、ほとんどタチをしたことがない。
若い頃からそうだった訳じゃなく、実はタチもしたかったし、臨んでみたこともある。
恥ずかしながら、一番の問題は、早漏だということ。
それこそ、猿のように毎日オナニーに耽っていた中学生の頃の話だ。
自分の掌でペニスを包み込み、一心に千摺を扱くとき、快感を長引かせようとケツの穴を締め、ペニスの根本を必死で締め付けて我慢した。
多少は、伸びたけれど、さほどでもない。
しかし、努力すれば少しずつ伸びた。
だが、ある日、ペニスの付け根の横に膿袋が出来た。
子供の頃からよく通っていた皮膚科に行き、診てもらったが原因は特定されず、切開されて痛み止めと抗生物質を処方された。
薄々原因を感じた。
それ依頼、我慢しないようにしたら、笑えるほど超早漏になった。
擦ってはいけないのだ。
だから、バリウケになるしかない。
ここでも俺は選択を許されなかったのだ。
ウケるとき、多くのタチは、腰振りと同時に俺のペニスを擦り、もっと感じさせてやろうと努力してくれる。
だが、俺は、その手を押し留めるしかない。
でなければ、もっと腰を振っていたいタチを取り残して、勝手にさっさとイッてしまうのだから。
バリバリのタチには分からないだろうけれど、ケツの穴は性器ではない。
あくまでも前立腺が性器代わりなのだ。
だから、射精してしまって、前立腺が感じなくなってしまったウケは、苦痛を耐えるしかない。
もちろん、場数を踏んでゆくと、若い頃のように、勝手にイッてしまった俺が、「ごめんもう無理」とは言わない。
少なくともタチがイクまで、気持ち良かった余韻を長く引き伸ばして、気持ち良い気分を味わう。
基本的にセックスに淡白な俺は、一度、発射してしまうと賢者タイプに落ち込むのは避けられなかった。
一発や二発発射したくらいで快感が引くことのない絶倫ウケなら話は別だろうけれど。
なのに、セーフでだけど、顔も知らない複数の男達に輪姦されることで興奮を覚えるど変態だ。
まぁその程度の変態は、この世に掃いて捨てるほど居るから、別に自慢にはならないけれど。
たまに、突っ込まれたいとケツが疼く。
オナニーすれば、数日は落ち着く。
だが、何度か、それを繰り返すとオナニーでは満足できなくなる。
一発すれば、しばらく落ち着いて、欲情することもなくなるのだけれど。
どうしようもなく疼いて、男が欲しくなるときがある。今でも。
あぁ。チンポ喰いてぇ。
だもんで、エロい話を書いて、気を散らすのだ。。。笑