2017年5月27日土曜日

獲物 表2

薄暗い部屋で目覚めた。昨日の夜もあの男に、何時間も犯され続け、気を失ったようだ。もう、何度、同じことを繰り返しているだろうか。千切れ千切れになった記憶の断片を繋ぎ合わせて、やっとのことで、今俺に何が起こっているのかを知った。俺は、あの変態に嵌められたのだ。こんな部屋まで周到に用意して。
 今は手足を拘束されて、自由を奪われている訳ではなかったが、逃げることは叶わない。いや、正直なところ、できることなら、逃げたいと思う。この俺が、あんな豚男にチンポを突っ込まれ、性奴隷のように扱われることを納得している筈がない。
 長い朦朧とした時間の繰り返しの末に、ケツに突っ込むカプセルを仕込まなかったことがある。男は、ベッド脇のチェアに深く腰掛けて、気持ち悪い胡乱なまなざしで、ただ、俺を眺めていた。目が覚めてもいつもは、頭がくらくらして、記憶も曖昧だったのだが、時間が経つに連れて、身体のしびれが抜けていった。と同時に、雲の中を歩く心地だった頭の中もはっきりとしていった。
「どうして、こんなこと。。。」
 俺は無意味だと知りながら呟いた。 案の定、男は何も答えなかった。別に答えを欲していたわけでもなかったけれど。
 上半身を起こすと、頭の芯がずきりと傷んだ。男が用意した服を身に着けた。たぶん、俺のものだ。見覚えがある。椅子に座った男を残し、ドアを開け、外に出た。男は何も言わず、後を追ってくることもなかった。外に出て、長い間、閉じ込められていた場所が、実は、隣室だと知った。ズボンのポケットに入っていた鍵でドアを開けて、部屋に戻った。テレビを点けて、あれから1週間が経過しているのを知る。テーブルの上に置かれたスマホを確認して、男が周到に準備をしていたことが分かった。わざわざ、会社の上司に、1週間、有休を取る旨のメールが送られていた。
 あの頭の固い上司のことだ。前触れもなく、メールだけ寄越して1週間も休んだ部下に、さぞかし腹を立てていることだろう。返信文だけを見ても、その怒りが目に見えた。
 体中から、いや体内からも男の精液の臭いがしてきて、ほとんど何も入ってない胃の中身をシンクにぶちまけた。喉の奥に指を突っ込んで、胃液すら出なくなるまでリバースした。だが、男の精液の臭いが消えることがなかった。俺の粘膜に染み付いてしまったようだ。
 風呂場に移動して、身体の隅々まで洗っても無駄だった。冷蔵庫の中のアイソトニック飲料を一本丸々飲んで、リバースしても同じだった。

 長い間、碌なものを食べていなかったから腹が減ったような気もしたが、食事をする気にならなかった。ソファに身体を投げ出したまま何もする気が起こらない。悪夢だと、狂犬に咬まれただけの事故だと自分を納得させようとしたが、無理なことは承知していた。
 何時間、そうやって無意味な時間を過ごしただろうか。忘れたい過去、思い出したくない記憶は、決して消えないものだ。自分で自分を絞殺したくなる光景が脳裏にフラッシュバックする。その苦しみが無限に続いた。いっそ、ベランダから飛び降りたら楽になるだろうか。

2017年5月26日金曜日

獲物 裏3

 想像していた以上に上手くいったので、俺は有頂天だった。人間を相手に突っ込んだ記憶は、かれこれ5年ほどもないだろうか。やっぱり、オナホールや右手で、ひとり楽しむのとは訳が違った。
 肉の熱い感触、柔らかな粘膜が俺の竿に絡み付き、腰を振る度に快感が全身を駆け巡った。俺は媚薬をキメていないのだけれど、そんなものは必要ないくらい気持ちよかった。
 何よりも、この男を征服している精神的な喜びは、他に換えるものを知らないものだ。学生の頃から、ラグビーでもして鍛え上げたに違いない、逞しい肉体を持ったエリートサラリーマンが、俺のチンポをケツに突っ込まれて、淫乱女のようにひぃひぃ鳴いているのだ。いつもなら女のマンコに突っ込んで、鳴かせている男が、その巨大なチンポをギンギンに勃起させながら、ケツマンコに俺のものを突っ込まれて、快楽に溺れている。たぶん、男は、ほとんど淫夢を見ている状態だろう。今の状況を把握できている訳がなかった。夢の中で、女になったこいつは、突っ込まれ、犯され続けているのだ。ただ、そこにあるのは、確かな快感。筆舌に尽くしがたい経験したことのない快楽。夢を見ている人間が、それを夢だと認識できないままに、快楽の虜になっているだけだ。
 だが、今は夢であっても、それは確かな刺激となって肉体と脳に刻まれる。何度も繰り返していれば、それは現に変化する。肉体と脳に、完全に刻印されるまで、媚薬を仕込んで、こいつをおもちゃにしつづけることで、現実に戻った後も、この男は俺に逆らえなくなるに違いないのだ。
 ただ、今は、そんなことすら、どうでも良かった。俺のチンポは、長年の鬱憤を晴らすがごとく、硬く、はち切れるほど硬く、勃起していた。男の粘膜を内側から突き上げ、前立腺を擦り上げ、その感触を、快感を楽しんだ。
 目が覚めているのか、定かではなかったが、俺の与える刻印を充分楽しんでいるのは明らかだ。いつか、こいつの女が耳元で漏らしていただろう快楽を訴える母音を垂れ流す。
「ああぁあぁあぅあぅぅああぁぁいぃあぁいぃぃぃああぁぅ」
 不自由な態勢のまま、長時間、尻を付き出して、俺の凶器を受け入れて、濡れまくっていた。マンコから愛液を溢れさせる替わりに、ギンギンに勃起したチンポの先から、とめどなく透明な粘液を溢れさている。何度も何度も俺のチンポで擦り挙げられたケツの穴は、適度に解れ、フィットして本物のマンコのように吸い付いた。逞しい肉体とは裏腹に、初めて受け入れたとは、思えないくらい自然に見事にメス化していた。
 明日はきっと筋肉痛になるに違いないが、日頃の運動不足を自分でも疑うくらいタフだった。こんな濃厚なセックスなら、何時間でも腰を振り続けてられる。時たまに、腰の動きを止めて、ペットボトルの水をごくごくと喉を鳴らして飲んだ。ふたりの汗が、全身から吹き出して、シーツはびっしょり濡れていた。だが、この淫靡な感触が、さらに興奮をいや増す。
 腰の動きを止めて、水を飲んでいる間のひとときも我慢できないようで、男は自らケツを振って、俺の硬いチンポでマンコを慰める。
 昔に聞いた話だが、この媚薬が完全にキマったら、記憶が曖昧なのだそうだ。もう、チンポとマンコを擦り合わせることしか考えられなくて、一時でもチンポを抜かれたら、狂いそうになるくらい欲しくなる。
 「何でもします。言われたとおりに、何でもしますから、チンポ下さい。マンコに突っ込んで下さい。犯してください。何時間でも犯しまくってください。お願い」てな具合に。
 実際、男は、初めての経験にも関わらず、勝手にケツを振って、俺を貪っている。普段は、ビシっとスーツを着込んで、廊下やエレベーターで俺を見かけても歯牙にもかけないイケメンが、ひぃひぃ鳴きながらケツを振っている。自らケツを振って、当たる部分を探し出し、狂ったように鳴いていた。
 防音対策はバッチリだから、いくらでも好きなだけ鳴くがいい。どんなに恥ずかしい行為も誰も知らないんだから。たった俺ひとりだけが、おまえの痴態を知っているのみだ。
 もっと、もっと淫乱になるまで、調教してやる。俺のチンポがないと生きていけないと、頭を擦りつけて懇願するまで、何も命令しなくても俺のチンポを美味そうにしゃぶるようになるまで、堕ちるがいい。

2017年5月24日水曜日

獲物 裏2

 必要なものを全て、整えるのに3ヶ月を要した。
 幸いに、あいつの隣室は空き部屋だったので、業者を呼んで、壁や窓、ドアに至るまで、防音仕様に改造した。ピアノを演奏しても外部に音が漏れることがない仕様だから、十分過ぎるだろう。そして、ダブルベッドと大型の液晶テレビに、パソコン一式を運び込む。
 部屋の改装工事をしている間に、注射器、眠剤、下剤、カマグラ、あいつがいつも飲んでいるアイソトニック飲料、それから最も大切なものである媚薬を手に入れた。
 この媚薬は、かつて組合で一世風靡した代物で、ケツに仕込んだら、どんな男であろうともエロエロの雌と化す粉末だ。お高く止まった筋肉ダルマのバリタチだって、仕込まれたが最後、自ら四つん這いになって、恥ずかし気もなく、「なんでもしますからチンポ下さい。俺のマンコにデカマラを突っ込んで、犯しまくってください」とマンコをおっ広げさせるほどの効き目だ。その気のないノンケだって、仕込まれた上に、ケツを弄られたら、一発で堕ちること請け合いである。
 今では違法になってしまったが、その筋の男に頼んだら、難なく入手できた。金に糸目をつけなければ、この程度のものを準備するのなんて朝飯前さ。
  数日後の週末の夜に、決行することにした。あいつの部屋に忍び込み、冷蔵庫の中のアイソトニック飲料のペットボトルを準備しておいたものに交換する。冷蔵庫の中身は、飲み物が殆どで、その内のアイソトニック3本だけを入れ替える。下剤と眠剤入りの特別製のものだ。あとは、部屋に戻って、あいつが帰ってきて、これを飲むのを待つだけだ。

 誰かと酒でも飲んできたのか、夜遅くに帰宅したあいつは、ジャケットを放り出して、ソファに身体を投げ出した。テレビを付けたまま30分ほど休んでからシャワーを浴びるのがいつもの行動パターン。長い間、観察しているから、この後の行動も充分予測が付く。
 案の定、起き出したあいつは、シャワーを浴びて、アルコールを抜く。素っ裸のまま、バスタオルで頭をガシガシ拭きながら、冷蔵庫のドアを開ける。ペットボトルを取り出し、冷えた液体を一気に喉に流し込む。しめしめだ。
 あいつは、バスタオルを腰に巻いて、ソファに寝転んでテレビを見ている。10分ほど経っただろうか、おもむろに身体を起こしたあいつは、トイレに駆け込んだ。たっぷりと仕込んだ下剤が効いてきたに違いない。首を捻りながら、何度かソファとトイレを往復した後、あいつはソファに寝転んだまま動かなくなった。今度は、眠剤が効いてきたのだ。
 さて、行動を起こそうか。
 深夜の時間帯だ。住宅街は、すっかり眠りについて、道路を行き交う車もまばらで、マンションに出入りする人間は絶えた。マスターキーで鍵を開ける前に、念のためチャイムを鳴らした。盗撮カメラの映像が、タブレットに映し出されているのだが、起きる気配はない。しばらく様子を伺ってから、鍵を開けて中に入る。肩の当たりを軽く叩いてみたが、だらしなく眠りこけている。
 これからが大変だ。眠りこけてフニャフニャの大の男を担ぎ起こして、隣の部屋まで連れて行かなければならないのだ。この時ばかりは、日頃の運動不足を呪うしかなかった。
 なんとか運び込むことに成功し、ベッドに放り投げたが、男は目を覚ます気配もなかった。
 計算では、眠剤の効きは8時間ほどだ。起き出す1時間前に、例の物を仕込むことにする。

 死んだように眠っていた男が、何度も寝返りを打ち始めた。瞼の下で忙しなく眼球が動いている。徐々に目覚めに近づいているのだ。万一に備えて、手足を拘束し、目隠しをした。起きる様子はなかった。うつ伏せに寝かせ、男の尻を割った。でかい筋肉質のケツの奥に、ピンク色の蕾が見えた。弛緩した状態だから、指を突っ込んでも痛くはないだろう。ローションをたっぷり手に取って、指先を挿入する。軽い抵抗はあったが、難なく侵入に成功する。ローションをたっぷり塗ったカプセルを指先に乗せ、指が根本まで入るくらい奥に送り込んだ。最初のカプセルは8mg程度にしておいたが、初めてのことだから効きは充分に違いない。小さな卵型のバイブを穴の中に突っ込んで、振動させる。
 上体を支えながら、吸い飲みを使って、カマグラをアイソトニック飲料で解いた液体を口に流し込んでやった。吐き出すかと思ったが、美味そうに喉を鳴らして飲んでくれた。これで、準備は完璧だ。
 目を覚ました時、この男は、今の状況を把握する手がかりもなく、それ以前に、そんな余裕すらないに違いない。手足を縛られて、目隠しをされて、完全に自由を奪われているのだ。ケツには媚薬が仕込まれ、バイブの振動が、充血し始めた粘膜を刺激する。アイソトニック飲料がカマグラの吸収を早め、自慢のペニスを強制的に勃起させる。最初の経験だろうから、AVビデオを流しておいてやった。
 自由の利かない身体で、ほとんどの刺激を遮断され、女がひぃひぃ鳴く声が頭の中で卑猥な状況を喚起する。さらに、ケツの奥の微妙な振動が、まるでペニスを突っ込まれているように錯覚させる。
 まだ、意識はないようだったが、勃起したペニスはひくひくと鎌首を振り、鈴口からは透明な粘液がこぼれ落ちていた。媚薬もガンキマリのようで、全身の毛穴から汗が吹き出し、小刻みに太腿が痙攣し始めた。
 この媚薬は、どんな男でもケツをマンコにする威力があるとともに、軽い幻覚作用も持っている。ほとんどの刺激を遮断され、快楽の脳内ホルモンが溢れだせば、男の意識はAVの世界にトリップする。充血した粘膜にバイブの振動が伝わって、男は一気にメス化する。普段ならAV女優の鳴く声を聞いても自分が突っ込まれている側に錯覚することはないだろうが、今回ばかりは別だ。男の硬く太いペニスを突っ込まれ、気持ち良過ぎてひぃひぃ鳴いているのは、自分の方だと脳が勝手に幻覚を見る。男だとか、女だとか、考える前に、実際に脳みそが快楽で一杯いっぱいなのだ。ケツをマンコとして認識するに十分な、体験したことのない快楽信号が下半身から脳天まで突き抜ける。
「あっあぁあっあぁ」
 男の口から、快楽が溢れ出した。半覚醒のようだ。まだ、夢現状態だからこそ、肉体が快楽を難なく受け入れる。男の身体をひっくり返し、ケツを突き出す格好にさせた。男は従順に従う。もう我慢できなかった。先程から、お預けを食らって、先走りでぬるぬるなのだ。たっぷりのローションを塗って、処女の穴に突っ込んだ。都合の良いことに、媚薬は穴の筋肉を緩くする効能もあるのだ。まぁ今の状態なら、痛みすら快感に錯覚させてしまうだろうけれど。
 男の穴は最高に気持ちよかった。締りが最高で、粘膜は熟し、熱く感じるほどだった。ドロドロに溶けた粘膜が俺に絡みついてくる。
「あぁ凄い。。。あぁ気持ちいい。感じる。。。あぁもっと」
 男はうわ言のように、いつもなら女に言わせているだろう卑猥な言葉を自ら漏らした。

2017年5月23日火曜日

獲物 裏1

あいつは、同じマンションに住んでいる男だった。いつも高そうなスーツをピシッと極めているから、サラリーマンか何かだろう。背が高く、体格が良く、イケメンという、如何にもエリートですといった、いけ好かない奴だ。たぶん、学校では勉強もスポーツも良く出来て、そこそこの会社に入って、上司の信頼も厚く、綺麗な彼女がいるに違いないのだ。 そういえば、違う女を何度も部屋に連れ込んでるから、実際にモテるのだろう。
 俺なんて、卑下するまでもなく、小学校の頃から、虐められるのが当然のキモ豚野郎だから、あいつとは、正反対の底辺の人間さ。まぁ、両親がそれなりに金を持っていて、ぽっくり逝ってくれたから、まともに働くことがなくても、困ることなく生きていけるのが幸いだ。実は、このマンションは親が残してくれたもので、俺のものなのだ。
 大きな声で言えないけれど、俺には、秘密の趣味がある。働かなくても生きていけるから、碌なことを考えないってところが、正直な話だ。分かる?マンションは俺の持ち物、つまり、マスターキーは俺が管理しているってこと。気をつけてさえいれば、どこの部屋でも出入りが自由なのだ。特に、サラリーマンは、平日の昼間に部屋にいることがないから、侵入が簡単なのだ。
 で、人に言えない趣味っていうのは、ずばり「覗き」だ。今の時代、覗きなんて実に簡単なものなのだ。マスターキーで、留守宅に侵入して、カメラとマイクを仕込んだコンセントと交換すればいい。もちろん、マンションに張り巡らしたwifiに、映像と音声を飛ばすことが出来る代物だ。たったそれだけの手間で、俺は部屋のパソコンの前に座って、他人の私生活を全て観察することができる。
 相手は誰でも良いわけじゃない。当たり前だよね。簡単だとは言っても、そこそこのリスクを負うのだから、興味のある奴に限る。俺のターゲットは、あいつみたいな男だ。
 清潔そうで、頭も、身体も顔もイケてる完璧なイケメンがタイプなのだ。
 是非とも、女好きなイケメン野郎のケツに、俺のチンポを突っ込んで、あいつがいつも抱いてる女達みたいに、ひぃひぃ鳴かせてみたいものだ。だが、現実は厳しい。俺があいつに突っ込める確率は、ほぼ0。無理。絶対無理。
 だから、覗きと想像の中だけで楽しむしかない。

 先週末も、あいつは、綺麗な女を部屋に引っ張り込んで、覗かれてるとも知らずに、筋肉質な綺麗なケツを振って、ペニスを女のヴァギナに一心に打ち込んでいた。昼間、どんなに綺麗ぶってみても、女と男のすることは決まっている。
 女が作った食事を食べ終え、下らない話に気もそぞろの二人が行き着く先はベッドだ。女の細い腰に、あいつが腕を回して引き寄せると、媚を含んだ瞳が男を見つめる。男の部屋にやってくるのだから、ヤル気満々なのは女も一緒だ。ぴっちりと肌に張り付くワンピースの下は、勝負ショーツに違いないのだ。発情しきって体温の急上昇した女をベッドに押し倒し、濃厚に舌を絡めあった後、小豆ほどもある乳首を口に含んで、舌を転がしてやると、腰砕けになった女は、ショーツをびしょびしょに濡らしながら股を開く。ワイシャツとスラックスを引きちぎるように脱いで、素っ裸になった男の股間は、激しく勃起して天を突く。全身を舐め回し、汗の浮き出した肌と肌を密着させて興奮を最高潮に持って行く。その頃になると、指先でドテに軽くタッチしただけで、女は仰け反って痙攣するまでになっている。
 女は悲鳴にも似た母音をだらしなく漏らし、白目を剥いていた。ここまでくるともう、両者ともに我慢を超えている。小さな布切れを剥ぎ取り、ゴムを付けるのももどかしく合体する。細くしなやかな女の両脚は男の腰に絡みつき、あたかも、一度取り込んだ器官を逃すまいとしているかのようだ。男は、獣じみた腰使いで、肉体の一部とは思えないグロテスクな器官を擦り合わせる。学生時代から激しいスポーツに明け暮れた逞しい肉体は疲れを知らず、延々と巨大なペニスで女の肉をえぐり続けた。
 そんな映像をパソコンに録画しながら、俺は虚しく自分を慰める。大きさや太さ、その硬さだけなら、俺もあいつに負けないと思う。だが、他の全てが圧倒的に違う。緩んだ身体、不細工な顔、頭の中も、悪巧み以外に使い道がないオタク男だ。そんなことは誰に指摘されるまでもなく、充分に分かっている。だから、覗きで我慢してるのだった。
 けれど、何度も何度もあいつがセックスするのを覗き見していて、ついに我慢の限界がやってきた。

 俺は、ある許されない行動に踏み出すことにした。

2017年5月11日木曜日

獲物 表

『ここは、どこだっけ?』
 薄闇の中で目が覚めたのだが、頭が朦朧としていて、上手く回らない。身体と頭が痺れているというか、気怠くて、頭をもたげるのも億劫だった。目玉だけを動かして、薄暗い室内の様子を伺った。ベッドとベッド脇のチェア、壁の一面ほどもある液晶テレビだけの、とても殺風景な部屋だった。窓には、分厚い遮光カーテンが吊るしてあって、外が明るいのか、暗いのかも分からない。
 俺は、大きなベッドに仰向けに寝ているのだけれど、部屋に他の人の気配はなかった。足の先で液晶テレビがザラついた光を放っている。薄暗いのは、これがぼんやりと光を放っているからだ。
 内容は頭に入ってこないけれど、モノクロの動画が流れているようだった。液晶がぼんやりと明滅していて、まるで海底に横たわったまま、遠くの水面を眺めているかのようだった。
 聞き耳をたててみたが、全くの無音で、室外の音もほとんど聞き取れなかった。拘束されているわけでもないのに、身体の自由が利かない。まわりの時間が間延びしたような感じで、粘度の高い液体が身体に纏わりついているようだった。

 意識を液晶テレビの動画に合わせるよう努力すると、なんとなく、それが何か分かる気がした。
 組み敷かれた裸の人間の上に、別の人間が重なっていて、裸の尻がゆったりと動いている。股間にぶら下がったものが、ゆらゆらと揺れていた。血管の浮いた禍々しいまでの屹立が、組み敷かれた人間に突き刺さり、抜かれ、また、突き刺さった。
 なぜだか知らないけれど、濡れた粘膜が、そこだけ真っ赤に発色しているように生々しく感じられた。
 視線を少し動かし、重なった男の表情を眺めるが、知った顔ではなかった。だが、組み敷かれ、屹立した男の肉棒を突き刺されている方は、知った顔だ。完全に目が逝ってしまっているけれど、たぶん間違いない。俺だ。。。

 知らない男に犯されて、淫乱な売女のようにアヘ顔を垂れ流している。焦点の合わない目と、涎を垂らす半開きの唇が、狂気を孕んで、無限の肉欲地獄に堕ちた外道のようだ。

 ああ。俺を犯している男は、同じマンションに住んでいる奴だ。たぶん。
 確か、上の階に住んでいて、深夜にエレベーターなんかで顔を合わせたことがある。頭ひとつ俺より身長が高く、でっぷりと太っていた。たまに会っても、、焦点の合わない胡乱な目で、俺を見下ろすだけで、挨拶を返しもしない気持ちの悪い奴だ。どうして、俺がこいつに犯されているんだろう。
 第一、俺はホモじゃない。男に突っ込まれて喜ぶ変態じゃないのに。どうして、こんな動画が流れているんだろう。意味が分からない。
 上手く回らない頭の中をかき回して、記憶の断片を拾い集めた。昨日は確か、友人と酒を飲み、深夜に帰宅したはずだ。2時は過ぎていただろうか。マンションに戻った記憶はあるが、部屋に戻った記憶が定かでない。飲みすぎてリバースすることなんてないと思うが、バスルームで床に這いつくばってリバースしたのか。あれ?バスルームには俺ひとりじゃない。あの男が介抱してる?訳が分からなかった。

 曖昧な記憶の断片を繋ぎ合わせていると、ドアから男が入ってきた。薄闇の中で目が合っても、男は無表情に俺を見下ろすままだ。だが、男の股間が急激にボリュームを増し、腹に付く勢いで屹立した。他人の勃起したペニスを目の当たりにするのは初めての経験だと思う。なのに、何故か腹の奥底が淫靡に疼いた。
 男は小さなカプセルを指先に乗せ、俺の股の間に突っ込んだ。俺の穴は、難なく男の指を受け入れる。背筋をぞくりと寒気が走った。いや、嫌悪感じゃない、快感の塊が脳天に突き抜ける。
 男の指先が小刻みに動き、カプセルを腸壁の粘膜に塗りつけた。見えるはずもない、そんな映像が脳裏に映し出された。遠のいていた快感の残滓が勢いを増し、俺の肉体の隅々に満ちた。
 得も言われぬ快感に刺激されて、記憶の断片が次々と蘇ってくる。 男の指で穴を解され、粘液を塗り込まれ、疼く核心を刺激され、俺は鳴いていた。まるで、アクメに達する前の女みたいに、聞くのもおぞましい媚びた声で鳴いていた。ああ、あの映像は昨日の夜のできごとなのか。俺は男に犯されて、気も狂わんばかりに感じまくったのだ。
 なぜかは、分からないが、男の指が欲しく、男の屹立したペニスで貫かれたくて、何度も懇願したのだ。後ろから前から巨大なペニスを突っ込まれ、涎を垂らしながら気が狂ったように鳴いたのだ。記憶は断片だったが、肉体が男の刻印を覚えていた。
 男の指が中で小刻みに動く度に、俺の情欲は燃え盛り、再びあの快感で満たされたくて仕方がなかった。精神は拒絶しているのに、肉体が見事に裏切って、男を欲している。目の前に突き出された他人のペニスなど、吐き気がするだけなのに、亀頭を口に含み、舌を絡めて舐め回した。今まで味わったことのない美味。喉の奥まで飲み込んでも、えずくこともなく、更に飲み込みたいと肉体が欲している。勝手に後ろの穴が緩んで、愛液すら滲み出して、欲しくて欲しくて仕方がなかった。
 俺は両膝と胸で身体を支え、両手で尻を割って、男を誘った。なんでもするから、だからお願い。意地悪しないで。お願い。それが欲しい。堅いでかい、それが欲しい。御願いします。俺を犯して。
 俺は既に狂っていた。頭のどこか冷めた部分が、自分自身の行動を信じられない思いで天井の隅から見下ろしている。狂ったように男が欲しいと懇願している。男は、そんな俺を汚いものを見るような表情で見つめている。だが、その股間は、冷たい男の態度とは反対に火が出そうなほど熱を持ち、亀頭は爆発しそうなくらいまで膨らんでいた。
 男が入ってくる瞬間の溶けるほどの快感。巨大なペニスが奥深く挿入されると、瞬時にして隙間なく密着して、俺の肉は男を包み込む。もうなんでもよかった。これほどの快感を経験したことがないのだから。この快感が続くならなんでもする。気色の悪い他人のペニスであろうが、舐め回す。突っ込んでくれるのなら、誰でも良かった。
 泥のような粘度の高い空気の中で、男に犯されて、俺は女のように何度も何度も無限にイッた。怖くなるほどに、痙攣しながら、白目を剥いてイッた。その快感は、雄のザーメンを吹き上げる一瞬のそれではなく、尻の奥深くで爆発し、全身に伝播した。快感は時とともに強くなり、身体中を駆け巡った。時間感覚は既になかったが、男は恐ろしいほどタフで、延々と俺を犯しつづける。だが、突っ込まれ、鳴き続けている俺も疲れを覚えず、無限の快楽に溺れる。呼吸困難になるくらい涎を垂らし、鳴き続け、男に絡みついた。

『ここは、どこだっけ?』
 薄闇の中で目が覚めたのだが、頭が朦朧としていて、上手く回らなかった。。。。

2017年5月8日月曜日

変態は正義である05



イケメンに逃げられてしまった私は、次の獲物を探して大通りを闊歩した。
深夜のオフィス街は、車の通りもほとんどなく、歩行者も絶えてない。
3つ向こうの信号を曲がって、駅に向かう歩道を歩く人影がある。私は、コヨーテのように夜目が利くのである。
よし、次の獲物はあいつだ。今度こそ、金縛りに落とし込んだ後、がっつり股間を鷲づかみにしてやる。
徐々に距離を詰めてゆくと、獲物の詳細が掴めてくる。
上背は180cmを悠に越え、ケツがでかく、胸板や太腿の厚みがある格闘技系好男子だ。
おぉ。私の大好物ではないか。
向こうも私の変態的ルックスを確認できているはずなのに、怯む様子がない。
うむ。意外と強敵かもしれない。ここは気を引き締めて掛からねばなるまいぞ。
しゃなりしゃなりと馬の尻尾を振り振りしつつ、ランウェイを歩くトップモデルよろしく距離を縮める。
短髪で精悍な顔立ちのイケメンであることを認めて、尻尾が疼くのを感じた。
男は真っ直ぐ私を見つめ、眉毛ひとつ動かさない。もしかして、組合か?
刺激を与えるべく自ら股間を鷲づかみにし、片手で乳首を摘んで、舌なめずりしてやる。
それでも男に変化はない。かなり、やる。
どんどんと距離は縮まり、遂にすれ違う。
刹那、私は男の股間を鷲づかみにした。
と同時に、あろうことか、男は私の尻尾の付け根、つまりプラグをむんずと掴んで強烈なピストン運動。

あわあわわわわわ。
あまりの快感に腰砕けになって、その場にケツを突き出した格好で突っ伏してしまう。
しかし、私にも意地がある。鷲づかみにした男の股間を離さない。

あわあわわわわわ。
とてつもない握力で、削岩機のごとく強力な振動を与えられ、昇天一歩手前まで追い込まれる。

あわあわわわわわ。
男の股間を潰れんばかりに握り締めるも意に介さない。

ひぃぃぃぃ。
頬と胸を歩道に貼り付け、ケツを突き出したまま断末魔の雄叫びである。
小さなとても小さなヒモパンの前がじんわりと熱くなった。あぁ無念。漏らしてしまった。。。
辺りには濃い栗の花の香が充満する。

股間を鷲づかみにした私の手首をむんずと掴むと、カシャリ、小気味良い金属音とともにワッパを嵌めた。
「障害及び猥褻物陳列罪及び迷惑条例違反で現行逮捕」
両手を後ろ手に戒められて、立ち上がらせる。
濃い精が薄いヒモパンの生地を通して滲み出し、太腿を伝い落ちた。
こんな過激なプレイで逝かされるのなら、逮捕されても構わない。
あぁなんて逞しい方。
 

変態は正義である04



私は単なる変態であって、正義の味方を標榜する仮面を被ったタイツ男ではないので、勧善懲悪物語も大概にしよう。
本来の姿である変態を垂れ流したときのお話も聞かせずばなるまい。
世に言う変態は、こっそり隠れて披歴するものであるけれども、私の場合はそこはかとなく異なる。
たとえば、こっそりすべき不倫関係について、「不倫は文化」だと臆面もなくカメラの前で主張して、世間様から顰蹙をかったツワモノもいるにはいるが、通常変態は衆目に曝すものではない。
自らを識者であると主張して憚らない世間様から、迫害を受ける危険性が高いからだ。
しかし、こっそり変態を玩んで満足できるのは初心者であって、私のように上級者ともなると誰にも目撃されないで変態を曝してもなんの興奮も呼ばないのである。
当然の帰結として、目撃して悲鳴を上げる、もしくは蔑んだ目で舐めまわす目撃者が必然になるのだ。
あぁその快感、その興奮ときたら筆舌に表し難く、まさに恍惚。
主に変態は、必ずしも射精的快感を旨としない。
どちらかというと結合による、もしくは擦過による物理的な快楽よりも、精神的な被虐・嗜虐を好む嫌いがある。
本来なら快感には分類されない肉体的刺激、たとえば痛みや熱さ、拘束などが、主に精神的作用によって快感へと変換されて恍惚を呼ぶSMにおいても同様で、擦過による射精は戯れ事のひととおりの終了を意味する行為であって目的ではない。
私ほどの上級者になると、一切の肉体的物理的刺激を得なくても精神的興奮だけで精を漏らすことが可能だ。
一方で、変態的恍惚から生み出される非接触の精通は、究極の快感である。
外的刺激ではなく、内的精神的な高揚によって前立腺が痙攣を起こして精通に至るのであり、それに登り詰める道程が壊滅的な快感を土産として残してゆくため、一度経験すれば病み付きになって腰砕けになること請け合いである。
さて、前置きが長くなりすぎた。本題。



その日の私は、とても感動的に美しかった。
というのも、変態を垂れ流すべく、鍛えた肉体と身に纏った最小限のコスチューム姿が鏡に映っている。
革製の鍔付きハット、黒の膝上網タイツにエナメル靴、股間の玉袋と竿をやっと隠す最低限のヒモパンのみ。
鍛え上げられた全身の筋肉を際立たせるため、ボディビルダーが用いるポージングオイルを塗り広げた。
まさに神懸り的なエロさである。
ヒモパンはOバック仕様なので、ケツには決して抜けない太さのエキスパンダープラグ&馬の尻尾というい念の入り様だ。
しゃなりしゃなりと尻を振り、イケイケの雌馬よろしく尻尾を振ってみる。
うむ。すばらしい。
これで外を歩けば、パドックで発情してしまった雄馬のように、股間をガチガチに勃起させて、私の尻を目掛けて突進してくること請け合いである。
さて、ひとりで越に浸っていても詰まらない。出かけるとしよう。
夜陰に紛れ尻尾を振り振りお馬が通る。
ちなみに、私が住んでいる地域は、はっきりいって大都会のオフィス街。
周りには、マンションや24時間のコンビニなどもほとんどないから、深夜にもなれば車輌も人通りも絶える。
しかし、世界から尊敬と揶揄をもって評される勤勉な日本人であるからして、高層オフィスビルには今日も煌々と灯りが点っているし、遅くなって帰宅を急ぐサラリーマンがちらほらいるのである。
うらびれた年寄りには目も向けず、若い旨そうなサラリーマンを物色する。
丁度よい所に、スマホを弄りながら歩いている、20代後半と見えるイケメンがやってきた。
全く人には興味がないのか、こちらの変態には気づかないようだったが、私が立ち止まると何か思うところがあったのかスマホから視線を上げた。
ニッコリ笑ってやる。
「わっ!」思わずびっくりして、直後にイケメンの顔が引き攣った。
襲われると思ったのかしらん。失礼な。
これ見よがしに尻を振って、尻尾をしゃなりしゃなりとやってやる。
時が止まってしまったイケメンは、呆然と私の優雅な尻尾に見入っている。
ほーら。良く見ろ。その場で、踵を返し、脚を大きく広げて立ち、尻を突き出す。
ケツの穴から生えた尻尾がしゃなりしゃなり。
イケメンはメドゥサに睨まれたごとく、石のように動きを止め、私の美しい尻に見入っている。
あぁイケメンの視線が熱い。
ずっぽりプラグを抜いた後にできた穴に、金角銀角のごとく、このイケメンを吸い込んでしまいたい。
尻尾を振りながら、少しずつ間合いを詰めてゆくと、突然、金縛りから解けたイケメンは、悲鳴を上げ泣きながら走っていった。
ちっ。もう少しだったのに。