2019年12月6日金曜日

営業マン04

次の指示に従い、俺は階下に戻った。指定された部屋の前でスーツの乱れを正す。小さく深呼吸をしてノックした。意外と大きな音が部屋に響いた。しばらくしても返事がなかったのでノブを回しゆっくりドアを開ける。
 部屋は無人で、片面が磨りガラスのウェアーハウスだ。3面はコンクリートの打ちっ放しで、飾り気のない無機質な部屋だった。部屋の真ん中には例に漏れずパイプ椅子がひとつ置かれている。部屋に入ったすぐの壁に照明スイッチがあったので点灯する。天井全体が鈍く光る特殊な照明で部屋の中から影が消滅する。
 俺は指示通りに、再びスーツを脱ぎ素っ裸になった。すでに俺のマラは反応し、ガチガチに膨張して天を突く。パイプ椅子に座ったとたん、磨りガラス側の壁に埋め込まれていたスピーカーから喘ぎ声が流れ始めた。
 と同時に磨りガラスが透明になり、隣の部屋の様子を映す。完全な透明ではなく、グレー掛かった半透明であることから推測するとハーフミラーのようだ。部屋の真ん中では四つんばいになった研修生のひとりが前後から攻められている。その研修生は、最後に面接を合格した奴だった。興奮した研修生達から襲われた唯一の未経験者だ。
 今やそいつは、素っ裸で目隠しをされ、男の股間に顔を埋めながらケツを掘られている。スピーカーからは、パンパンとケツを打つ音と、マラを喉の奥まで突っ込まれたくぐもったうめき声が流れる。
「おら。もっと感じてみせろ。ケツを振れ!」
「あぅ。」
 命令に素直に従い、ケツを振ってみせる研修生。
「喉を絞めて奉仕するんだよ!」
「はぅ。」
 頭を振り、マラを根本までくわえ込む。
「てめぇは客先の性処理道具だってことを忘れるんじゃねぇ。おまえが気分ださねぇと客先が燃えねぇだろうが!」
「あぅ。」
 ほんのりとピンク色に染まった身体から汗が噴き出し、研修生は艶めかしく悶える。俺の股間は痛いほどに膨らみ手を触れずとも暴発しそうだった。その時、ドアが開き男が入室してくる。
「またせたかな?」
 男はニヤリと微笑み、俺の様子とハーフミラー越しの様子を交互に眺めた。俺の後ろに陣取り、乳首に気のない愛撫を施した。頂点に達しつつある俺は、それだけでも身体を捩り、反応を示してしまう。
「ふふ。」
 男は不気味な笑いを漏らした。そして、持ち込んだ袋の中から妙なものを取り出す。特殊な合成樹脂でできたイソギンチャクのようなおもちゃだ。その卑猥な形は、説明を受けずとも何を目的で作られたものか分かる。男はオイルをおもちゃの中に垂らし、くちゃくちゃと内部に拡げた。おもむろに俺のマラにおもちゃをかぶせ、コードの先に付いた電源を入れる。おもちゃは、うにゅうにゅと身を捩り、俺のマラに吸い付いてくる。
「はぁぁ。」
 俺は思わず天井を見上げため息を漏らす。もうひとつの電源が入ると、おもちゃはバイブのように振動を始めた。ぬめぬめとした穴が身を捩り、小刻みな振動で俺のマラを攻める。
「あぁぁ。」
「どうだ?気持ちいいか?ちゃんと隣室の痴態を見ないか!」
 俺はハーフミラー越しのセックスシーンに見入る。すでに爆発寸前だった俺は、時間の問題で射精しそうだ。
「ただし、イクことは許さんからな。もし、俺の許しなく射精したら採用は取り消しだ。」
「えっ!」
 俺はこみ上げてくる快感を必死に押さえ込んだ。ここで射精してしまう訳にはいかない。下腹部に痛みが走った。登り詰めそうな生理現象を押し込めるのだ。パンクしそうな精巣が送り出そうとする精液を押し返す。目からの刺激と、直接マラに絡みつくおもちゃの刺激が生理現象を促す。
「あっあっあぁぁ。」
 俺は脂汗を流しながら必死に耐えた。
「これだけでは面白くないな。」
 男は、ハーフミラー横の壁から受話器を取り、何かを囁いた。隣室の動きが止まる。前後から攻めていた男達がマラを引き抜いた。そして、研修生を促し立ち上がる。ハーフミラーの一部が開く。ドアになっているようだ。目隠しされた研修生を誘導しながらケツを掘っていた男がこちらの部屋に入ってきた。
 男達は俺の前にやってくる。男が研修生の耳元で囁くと、研修生が俺の前に蹲った。男が俺のマラに装着されたおもちゃを取り外す。研修生の頭を押さえ、俺のマラに誘導した。研修生は躊躇することなく俺のマラにむしゃぶりついた。
「はぅ。」
 やはり、おもちゃの比ではない。ぬめぬめとした口の粘膜が俺のマラに絡みつき、舌を使って奉仕を始める。
「ダメです。。。もう。。。」
 俺は思わず許しを請う。
「イキたければイケばいい。ただし、採用は取り消しだ。」
 男は冷たく言い放った。3人の男達は口元を歪め、俺の苦悶をあざ笑う。
「この程度の我慢ができなくて、客先の満足が得られる訳がなかろう?おまえが先に射精してしまっては台無しなんだよ。」
 朝から数々の刺激を受けて、俺の我慢は限界に達していた。ケツを掘られ、2人のマラに奉仕をして顔射され、他人のセックスを見せられ、さらにフェラをされては爆発しても不思議はない。だが、ここで射精する訳にはいかなかった。
「勝俣。おまえは客先を喜ばせることだけを考えればいい。客先がフェラをされて射精するまで奉仕するんだ。時間をかけてゆったりと奉仕をするのも良いが、今回はどれだけ早く射精させるかの試練だ。時間内に射精させることができなければ採用は取り消しだ。」
 男は腕時計を覗き込む。
「15分以内で発射させろ。」
 そんな無茶苦茶な。それではどちらかが不採用になるではないか。俺が必死なのと同様に勝俣も同様に必死でしゃぶり始める。
『やめろ。やめてくれ。そんなに刺激するな。イってしまう。。。』
 俺と勝股の必死の攻防が始まる。俺は射精すまいと我慢し、勝俣は射精させようとフェラをする。時間が経つのが遅く感じられ、今、どれほど経ったのかが分からない。男は平然と腕時計を覗いていた。勝股は先ほど教えられたように喉の奥までマラを呑み込み、頭を振る。口の端から唾液が滴り落ちる。目隠しをされマラにしゃぶりつく様は卑猥この上なく、嫌が応にも興奮を誘う。下腹部の痛みは増し、少しでも気を抜けば発射してしまう。全く関係のないことをイメージし、気を逸らすが物理的な刺激の前には無力だ。懇願するように男の視線の先を見つめる。男が腕時計から視線を外す。
「よし。そこまでだ。よく耐えた。いいだろう。」
 男が勝股を引きはがす。射精に至らなかった安堵に俺はため息を吐いた。しかし、逆に射精させられなかった勝股は呆然と座り込んでしまった。
「勝股もよく頑張った。2人とも合格だ。これが最後の研修になる。」
 男達は封筒を2人に手渡し、部屋を後にした。目隠しを外した勝股がはにかみながら俺を見上げる。俺も微笑を返した。

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